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読むと笑みがこぼれる こもとれん 内子の方言話(1)

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愛媛県内子町

タイトルの「こもとれん」は、たいしたことないという意味です。小田地域の故・谷本北露(ほくろ)さんが書いた『こもとれん話』にちなみました。ありふれた日常を方言でつづった、ふるさとへの愛情が詰まった本です。
昨年は地域のイベントが少ない寂しい一年でした。新しい年の始まりに、谷本さんの本のように皆さんの心をほぐし、クスッと笑ってほしいと思い方言の特集を組みました。
ずっと昔から使われてきた言葉で、どこか温かさや親しみを感じる方言――。紙面では、移住者の皆さんが内子に来て驚いた方言、地域の人と一緒に選んだ方言などを紹介しています。さて、どんな言葉が飛び出すか、気軽な気持ちで読んでみてください。

■移住してきた皆さんにインタビュー 私はコレに驚いた「方言おもしろエピソード」

◆群馬県出身 武藤 裕子(ゆうこ)さん(石畳9)
「いんで きたら ええわい」

◇何を着たらいいんだろう……
石畳に来た当時、エプロンを忘れた私に、地域の皆さんが「いんできたらええわい」と言うのですが、何を着たらいいのか分からず、立ち尽くしました。「取りに帰っていいよ」という意味だったのですね。移住して13年、今ではすっかり内子弁が体に馴染んでいます。

◆北海道出身 仙台 晃久(あきひさ)さん(岡第2)
「たちまち」

◇急いでいる風には見えないけど
「たちまち」は、標準語では「突然」とか「急に」という意味です。こちらでは「とりあえず」なので、最初は戸惑いました。「たちまちビール」という声に、一気に並べて急いで飲むのかと――。穏やかな口調で言うのも対照的ですね。

◆大阪育ち 納堂 邦弘(くにひろ)さん(小田下)
「おどろがんす」

◇響きが格好良くて、お気に入り
地域おこし協力隊の歓迎会で、地域の人たちが面白おかしく、小田の方言を教えてくれました。中でも「おどろがんす」は、響きが力強くて記憶に残りました。方言の話は盛り上がるし、地元愛を感じます。私もお客さんを案内するとき「おどろがんすって分かる?」と、会話を弾ませています。

◆大阪出身 泉 綾子(あやこ)さん(成内)
「なば」

◇おばあちゃん、今なんて?
御祓地区に住み始めてすぐ、近所に住むおばあちゃんから「あんたんとこは、もうなば取ったか」と言われました。何か分からなかったので尋ねると、「なば知らんのかぁ、都会の子やな」と、うれしそうにシイタケと教えてくれました。

◆東京都出身 小田原 希実(のぞみ)さん(小田上)
「ラーフル」

◇掃除の時間に生徒とびっくり
小田分校の地域おこし協力隊をしています。生徒と一緒に掃除をしていると「ラーフルをきれいにする」と言うので、何かなと思ったら黒板消しを持っていました。驚いていると、生徒たちも「標準語じゃないんだ」と衝撃を受けていて、互いに笑い合いました。

内子町に住み始めて、驚いた方言や失敗談などを聞きました。共通語だと思っていた言葉が、実は方言で通じないこともあるようです。皆さんは、そんな経験をしたことはありませんか。

■知ることで深まるコミュニケーションこれって方言だったのか

◆山形では「アマコムシ」
小田分校と山形県の遊佐(ゆざ)高校とのリモート授業で盛り上がった話の一つが、カメムシの呼び方だったそうです。山形県では「女の子」という意味の言葉を冠して、「アマコムシ」と言うそうです。全国的にはヘクサンボやヘラガニなど、呼び名がたくさんあるカメムシ。考えてみると、内子の方言の「ジャクジ」は、由来が全然分かりません。でも、カメムシと呼ぶよりも、虫に対する感情のようなものがにじみ出て、しっくりきますね。

◆方言あるある失敗談
取材では、移住してきた皆さんが驚いた方言をたくさん聞けました。私たちも気を付けたいと思ったのは、「かってきたらええわい」。ある移住者が地域の草刈りに参加するとき、地元の人に「道具がなかったら、かってきたらええわい」と言われたので、新品の道具を持って行ったら、「こうてきてしもたんか」と一言――。「かってくる」は「借りてくる」だと、後から知ったそうです。普段使っている言葉が実は方言だったり、地域や世代が違うと意味が通じなかったりするので、「これって方言だったの」と知ることも大切なのかもしれません。

◆みんなが感じた方言の良さ
移住してきた皆さんが声をそろえて言うのは、内子の方言は柔らかくて好感が持てるということです。知らない方言を聞くと地域の人との会話も弾むので、コミュニケーションを図るものの一つにもなっています。
方言は、地域で昔から使われてきた言葉です。共通語にはない微妙な表現もたくさんあり、より気持ちが伝わります。地域の人たちが心を通い合わせて生きてきた証でもあり、地域や世代をつなげるものでもあります。ずっと住んできた人もこれから住む人にも方言を身近に感じてほしいです。

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