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特集 共生はお互いさま!-1

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東京都江戸川区 クリエイティブ・コモンズ

■特集江戸川総合人生大学学長北野大(きたのまさる)さん

江戸川区が目指す共生社会のビジョンは、「年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせるまち」です。この実現に向けて、区内に古くから根付く“下町の精神”が鍵となると訴えるのが、「江戸川総合人生大学」の学長を務めていただいている北野大さんです。新しいカタチの学びの場ともいえる江戸川総合人生大学を通じて北野さんが目指す“お互いさま”の地域貢献とは…。これからの共生社会の在り方とは…。北野さんにお話を伺いました。

◇「下町の精神」伝えるべく
北野大さんといえば、弟の武(ビートたけし)さんが発信する情報も手伝い、「北野ファミリーなら江戸川区よりも足立区ゆかりの方では?」と思う方も多いかもしれません。しかし今や北野さんは「住所こそないけど、江戸川区命(いのち)といっても過言ではありません」と言ってくださるほどの”江戸川区推し”。その契機となったのは、平成13年、読売新聞がコラムで企画した”下町大学”という生涯学習の場の構想に賛同し、コンセプト立案に協力したことでした。
「当時、私は下町に根付いている”おせっかい”であるとか”お裾分け”というような言葉に象徴される互助の精神をぜひとも21世紀に残したいという思いを持っていました。とりわけ次代に伝えたかったのは、隣近所での味噌(みそ)・醤油(しょうゆ)の貸し借りに見られるような”お互いさま”の文化。下町大学構想の実現の暁には、下町環境論なんて講座を担当させてもらい、この尊い精神を伝えていくんだと、ずいぶん意気込んで取材に応じたのを覚えています」
結局、この構想はあくまで一つの構想としていったんは幕を閉じます。ところが、わずか2年後にこの江戸川区で実現に向けて動き出すことになるのです。
当時の江戸川区にはすでに、熟年者向けの生涯学習の場として「くすのきカルチャーセンター」があり、現在も多くの区民の方に親しまれています。しかしこれとはまた別の、社会とのつながりに焦点を当てた、幅広い世代のための新たな学びの場を設けようという構想が練られていたのです。それこそが今年で設立16年を数える江戸川総合人生大学(以下、人生大学)。北野さんはその立ち上げに当たり学長に就任し、以来、延べ991人もの卒業生を送り出してくださっています。

◇卒業がスタートになる
人生大学は、2年課程の4学科からなる、幅広い世代の区民に開かれた学びの場です。”大学”と付いてはいますが、いわゆる学士号が取れる文部科学省認可の大学ではありません。
しかし学長たる北野さんは「自ら地域の課題を探し出し、その解決法を考え、実践につなげていくというカリキュラムの特色から、これほど地域に貢献できる人材が育つ学びの場はそうあるものではありません。本当に役に立つ”実学”を学べるのが人生大学であり、どんな大学にも負けない環境が備わっています」と、その際立った特色を強調します。
例えば、”卒業がスタートになる学びがあります”というキャッチコピーは、そうした人生大学の特徴を端的に象徴するものといえるでしょう。人生大学では、一通りのカリキュラムを終え、卒業証書が出たら”はい、おしまい”ということにはなりません。
「むしろ本当に大事なのは卒業してから」と北野さんは力を込めます。「卒業生の中には子育て支援や介護施設訪問のボランティア団体を立ち上げるなど、精力的な地域貢献の活動に邁進(まいしん)している人がたくさん出てきています。これこそがまさに私が下町大学の構想の時から伝えたかった互助の精神であり、江戸川区がいま精力的に取り組みを進めている共生社会のモデルケースともいえるものなのではないでしょうか」

◇与えるばかりでは続かないから
北野さんが人生大学の学生に伝えたい互助の精神、さらには江戸川区が目指す共生社会。令和の時代にこれらを発展させていくためのキーワードを北野さんに尋ねると、「それはやっぱり”お互いさま”の考え方でしょう」との答えが返ってきました。
「『地域社会に貢献するぞ!』と意気込み過ぎると、どうしても一方通行というのか、自分の持っている資源を出していくばかりの”ギブ・アンド・ギブ”の形を思い描きがちです。でもそれではなかなか続くものじゃない。地域に貢献しようとする人もまた、地域から有形無形の恩恵を受ける”ギブ・アンド・テイク”の形こそが自然な形だし、末永く続けていくための秘訣(ひけつ)じゃないでしょうか」
北野さんによれば、人生大学に入学される方々に動機を尋ねると、なにも地域への貢献に熱意を燃やす人ばかりではなく、自身の生きがい探しであるとか、あるいは友達づくりの契機に―といった気持ちで門をたたく方々もたくさんいるといいます。
「生きがい探し、友達づくり、大いに結構。どんな動機も人生大学は大歓迎です。仮に自分の生きがいのためにということで始めたことでも、それが誰かの役に立てば必ず感謝が返ってくる。そうしたら心が豊かになって、もっと貢献できるようなことがしたくなる。そういう双方向の作用があってこそ、ぐるぐると社会が回っていくんです。やっぱり”お互いさま”なんですよ」

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