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いつまでも自分らしく生きるために 知って安心!成年後見制度(3)

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福井県福井市

成年後見制度を支える「後見人」とはどんな存在なのでしょうか。ここでは、後見人の中でも、法律と福祉の専門家として活躍する二人に、利用者に対してどんな思いで、どんな支援をしているのか、制度に対する思いや考えを伺いました。

■「法務」
(公社)成年後見センター・リーガルサポート福井県支部 支部長(下馬2丁目)
司法書士 稲田眞紀さん

▽本人を後ろで見ながら支える
私は法律の専門家として10年以上、後見業務に携わってきました。
後見人として誰が付くかの最終的な判断は、家庭裁判所が、本人の状況や性格など細かな部分まで総合的に考慮した上で行います。本人のことをよく理解している親族が選ばれる場合もあれば、解決すべき法的課題がある事例だと、私たち法律の専門家が選ばれることも多いです。
具体的な支援内容は、収支の確認や各種費用の支払いのほか、必要に応じて病院への入院や、施設への入所などの契約や不動産の売却、遺産分割に関することなどさまざまです。支援業務は本人の状況によって異なるので、その都度本人に合った支援方法を検討することが求められます。
「後見」という文字は、「後ろで見る」と書くように、後見人にできることは、あくまで本人のやりたいことを支えることです。本人の病状や障がいの程度によっては、意思表示ができず、本人の考えに沿う支援を行うことが難しいケースもありますが、なるべく本人の意思をかなえてあげられるよう最善策を講じています。その人らしい暮らしを送ってもらうため、最適な支援方法を模索することが私たち後見人の仕事です。ぜひ、気軽に相談してください。

▽Point 家庭裁判所が本人に最適な後見人を選びます
とても有用な成年後見制度ですが、適切な人を慎重に選ばないと、お金や財産を不正に濫用されるなど、本人の権利が侵害されてしまう恐れもあります。
それを防ぐために、家庭裁判所が公的な視点に立ち、成年後見制度の根底にもある「本人の権利擁護」のため、その人にとって最適な後見人を選びます。後見人になる人が、親族以外の場合であっても安心してください。

■「福祉」
(一社)福井県社会福祉士会 会長(月見3丁目)
社会福祉士 竹澤賢樹(まさき)さん

▽本人の想(おも)いに寄り添う
私は社会福祉士として15年間、後見業務を担ってきました。後見業務をする上で意識していることは、本人との信頼関係を築くことです。定期的な訪問を大切にし、その人がどんな性格で、どんな人生を歩んできたのか、できる限り把握するよう努めています。
言葉が話せない相手であれば、ちょっとした表情の変化で何を考えているのかを敏感に感じ取ることが求められます。口角が少し上がったり、微妙に目線が動いたりすることで、その人が今、喜んでいるのか、怒っているのか、不満を抱いているのかなどの感情を理解できる場合があります。言葉以外の部分には、言葉以上に本人の意思が表れていたりするものです。
対応が難しい事例が多いですが、本人の人生の重要な部分を預かっている以上、解決に向かうための最善の策を考え遂行しています。たとえば、一人暮らしを続けることが難しい高齢者でも、すぐに施設に入所させるのではなく、本人が「一人暮らしがしたい」と考えているのなら、できる限り尊重し、関係する人たちと話し合いを重ね、何が最適かを熟慮した上で決断することが必要だと思います。
成年後見制度を利用することは、あくまで課題解決のための手段の一つに過ぎません。福祉施設やホームヘルパーなど、他の支援制度を活用しながら、本人の「生活の充実」、「生活の豊かさ」を一番に考え、何を選択していくのかが重要だと思います。高齢者や障がいのある人を抱える家族の方は、制度について分からないことを、納得のいくまでとことん相談することをお勧めします。私たちも、本人に対し、その人らしい人生を送ってもらえるよう、業務の枠にとらわれない支援をしていきます。

▽利用者の声
山﨑敏夫(としお)さん(85歳)
2年前から成年後見制度を利用しています。日常的にお金を管理してくれることも助かっていますが、定期的にある面会の時間を大切にしてくれるのは嬉しいです。自分の思いをしっかり理解してくれるので安心できます。信頼できる人が近くで守ってくれているので、今後の生活も心強いです。

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