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稲敷魂! 稲敷市の文化財(7)-1-

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茨城県稲敷市

■釈迦涅槃像(しゃかねはんぞう)
今回から2回にわたり、上根本の釈迦堂の創立に関する文化財についてご紹介します。

釈迦涅槃像(しゃかねはんぞう)(上根本、釈迦堂安置)
県指定文化財

上根本の釈迦堂(しゃかどう)には、寝釈迦(ねしゃか)の愛称で親しまれる木造釈迦涅槃像(ねはんぞう)が安置されています。
全長が193.5センチととても大きく全体に量感(りょうかん)のある作りで、右側面を下にして右手を枕(まくら)に置き頭をのせ蓮華(れんげ)の台座の上に横たわる像です。
寝釈迦と言いますが、寝ているのではありません。お釈迦様の生涯(しょうがい)のうちの入滅時(にゅうめつ)(涅槃)の様子を造形(ぞうけい)化したものです。
涅槃像は彫刻だけではなく、絵画でもあらわされます。
絵画は多くの寺院で所蔵があり、彫刻も最近では各地域で行われる仏像の調査で確認されているものの、絵画に比べると大変少なく、釈迦堂の像は、昭和33年と早い段階に県指定文化財に指定されています。
稲敷市内には、他に伊佐部の照明院と須賀津の釈迦堂に涅槃像が存在しており、茨城県下では、神栖市神善寺(県指定文化財)、下妻市金林寺、取手市旧法海寺、桜川市小山寺の像が知られています。
絵画であらわされる涅槃像は、お釈迦様のまわりに嘆(なげ)き悲しむ弟子や動物の姿が描かれていますが、彫刻は単独であらわされるのがほとんどであり、上根本・釈迦堂安置の像も単独の像です。
単独でない彫刻の像の例は、有名な奈良県・法隆寺の五重塔内の涅槃像(塑像(そぞう))があげられます。
涅槃像とその周囲に悲しむ弟子達が置かれ群像のスタイルをとっています。見過ごされがちですが、法隆寺を訪れることがありましたらぜひ拝観してみてください。
さて、上根本・釈迦堂の涅槃像に関しては、釈迦堂を開いた順西和尚(じゅんさいおしょう)について書かれた「称蓮社一誉順西傳(しょうれんしゃいちよじゅんさいでん)」明和6年(1769年)に、「江府及び遠近の郷村を勧進(かんじん)して一宇(いちう)を建立、涅槃の尊容(そんよう)を彫刻して安置、称蓮社(しょうれんしゃ)と額したがみな釈迦堂と号す云云」という記録があります。
また順西の弟子達が、三途台(さんずのだい)(千葉県長南町)より涅槃像を担いで来たという伝えも残っていますが、もし伝承の通り担いできたとすれば、大掛かりなことであったでしょう。
制作年代も記録の通り江戸時代と考えられます。
この涅槃像は大変きれいな状態で伝わっていますが、涅槃像を安置する釈迦堂で、毎年6月8日に行われる「花まつり」(腰巻おがみ)の信仰とともに、管理する寺院や地域の人たちによって現在まで大切に守られてきたことが窺えます。
(市郷土資料調査委員 山本裕子)

問合せ:教育政策課
【電話】029-892-2000

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