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【特集】チャレンジが子どもを育む ー塩尻市コミュニティ・スクールのいまー(1)

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長野県塩尻市

今年で5年目を迎えた本市のコミュニティ・スクール。これまで地域の特色を生かしたさまざまな取り組みが行われています。コロナ禍という大きなポイントを迎えた、今年の活動の一部をご紹介します。

◆コミュニティ・スクールは地域と学校が同じ方向を向き、地域の子どもを育む仕組み
コミュニティ・スクール(以降CS)は、地域の皆さんの声を学校経営や運営に反映させながら、地域と学校が同じ方向を向き、力を合わせて地域の子どもを育むための仕組みです。これによって、地域の皆さんと一体となって特色ある学校づくりを進めることができます。本市では、国の方針に先駆けて、平成28年4月に全小・中学校でCSをスタートしました。
本市のCSでは、熟議を通して「地域と学校で協働して育てたい子どもの姿」を具体的に考え、共有し、その狙いに即するような教育活動が行われています。「育てたい子どもの姿」の実現に向け、地域と学校で力を合わせ「足し算・かけ算の教育」を行っていくことがCS活動です。(図1参照)

図1)コミュニティ・スクールのイメージ

◆これからの社会をたくましく生き抜くための力や社会性・人間力を育む
時代が変わるにつれ、地域の人と人とのつながりが希薄となってきています。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、対面での交流の減少をさらに加速させたように感じられます。
CS活動は、人間が本来持ち合わせている「人と人とのつながり、絆」を基盤にした活動です。「分断」ではなく「連携・連帯」を大事にし、AIでは不可能な「新たなものを創り出す活動」「未知なるものに対する的確な判断やあくなき挑戦」「命や自然をこよなくいとおしむ心」といった力を育んでいかなければなりません。そして、このような教育活動は学校だけで完結させることはできません。学校を取り囲む地域の皆さんすべての「持てる力」を、子どもたちのために注いでいただくことが不可欠です。子どもたちを取り巻く大人の「生き方・姿勢」が、子どもたちの「生きる力」を育成する基盤となり、子どもたちの見本となります。
また、本市のCSは、「みんなわくわく、みんなニコニコ」をモットーに活動しています。子どもたちに活動を楽しんでもらえるように、まずは地域の皆さんや教職員、保護者などの大人が主体的に楽しんで取り組めるような活動を目指しています。次ページからは、その具体的なCSの取り組みを一部ご紹介します。

◆子ども、学校、地域が考え、挑戦することで楽しいCSに
(教育総務課 池上 良満)
本市のCSも5年目を迎えました。現在、どのCSでもそれぞれの地域の特色や特性を生かしながら、子どもたちの自主性・主体性が育まれるよう、また、「自分も地域の一員」「自分も地域の役に立っている」という思いを子どもたちが得られるようCS活動に工夫を凝らしていただいています。
今年度当初は、新型コロナウイルス感染症の影響で、CS活動の休止を余儀なくされました。しかし、休校が明けてからは、地域と学校で活動可能な内容を真剣に考え、工夫を凝らしたCS活動が展開されてきました。そして、この困難に立ち向かう大人の前向きな生き方を子どもたちに示すことができ、今後のCSの良い道しるべになったと思います。
CS活動に正解やゴールはありません。地域と学校とが子どもの健やかな成長を願い、子どもを真ん中に据え常に熟議や協働活動を積み重ね、新たな挑戦をし続けることで熟成し続けます。コロナ禍の今年度は、その挑戦への力強い第一歩となりました。

■みんなでいることが、子どもの成長につながる
みんなで食卓を囲う、みんなで体験を共有する。そういった経験が、子どもが社会で生き抜くための力につながります。

◇コミュニティ・スクールとこども食堂がコラボ
現在、学校でもない、家庭でもない、子どもたちの第三の居場所として、全国各地で定着してきているこども食堂。豊かな田園地帯にある片丘小学校のCSでは、全国的にも珍しいCSとNPO法人ホットライン信州との協働でこども食堂「片丘小CS夕日食堂(以降、夕日食堂)」を行っています。今年度は9月から再開し、新型コロナウイルス感染症防止対策には万全を期して実施しています。
夕日食堂は、CS活動の一つとして、小学生や保護者、地域の大人たちが一緒に食卓を囲み、交流することを目的として片丘支所で行っています。学校から近く、学校でも家庭でもないという点から子どもたちの新たな居場所となっています。

◇子どもたちの居場所となり、子どもたちを地域で育てる
片丘小CSと夕日食堂を共催する、NPO法人ホットライン信州の青木正照さんは、「ここで開催することで、同じ地区の老若男女が集まり、子どもの新たな居場所にもなります」と語ります。また、みんなで食卓を囲うことにも意味があると、青木さんは話します。「40歳前後の引きこもりの要因の一つに、幼少期の独りぼっちや孤食が挙げられています。子どもの頃からみんなで食卓を囲うことで、コミュニケーション能力の向上や人格形成、五感の養成など、社会を生き抜く力を育みます」。
また、大人たちには、子どもたちを地域のみんなで育てようという機運ができ、新たに夕日食堂で出会った仲間たちとのつながりもできます。新型コロナウイルス感染症が流行している社会情勢の中で、CSに参加した人たちが、人と人とのコミュニケーションの大切さを改めて考える場にもなっています。

◇学校の外での体験が地域とのつながりを生む
片丘小CSではさまざまな活動を行っており、その一つとして、地域の皆さんと児童たちが畑で作物を育てています。畑1反を1~6年生すべての児童で、田んぼ5畝を5年生で世話をしています。
例年は土づくりから種まき、栽培、そして収穫まで一通りのことを体験していますが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で主に収穫を実施。休校期間中は、いつ子どもたちが参加しても大丈夫なように地域の大人たちで畑を守っていました。7月には、トウモロコシの収穫を体験し、その場でトウモロコシを炭火焼きにして、みんなでおいしくいただきました。
学校支援ボランティアの田中勝子さんは「うれしかったのは、欠席した子どもたちに他の子どもたちがトウモロコシを届けに行ってくれたことですね。子どもたちの絆を身近に感じることができました」とやりがいを語っていました。
子どもたちは地域の大人とさまざまな体験ができ、大人たちは自分たちの得意分野を生かせる。CSは、お互いに良い刺激となっています。

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