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自治体の皆さまへ

特集 地域に飛び出た高校生の3つのストーリ(4)

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静岡県菊川市

《another story》
【高校生と身近な地域のつながりがまちを元気づける】
地域と高校生の理想の関係とは──地域づくりの担い手である自治会・コミュニティ協議会に高校生と地域のつながりについて聞きました。

市連合自治会会長酒井幸寛(ゆきひろ)さん(和田)
◆地域と関わりやすい仕組み
今の地域づくりの主体は、リタイアした元気な60代、70代の高齢者です。本来、地域づくりは全員でやらないといけません。今は、自治会組織がしっかりしている方ですが、今後は保てるのか心配です。
子育て世代は、仕事と家庭で非常に忙しい状態です。片手間でも地域づくりに参加できる仕組みを作る必要があると考えています。サービスの受け手でいるだけでなく、一人ひとりが主体となる意識を持って行動することで、地域の中が変わると思います。多種多様な人が交わり、負担にならず楽しめる地域づくり活動が、継続する上での条件になっています。
◆高校生の活躍に期待
残念ながら、高校生は地域の中で、存在感が薄いのが現状です。祭りや防災訓練でかろうじて会うイメージです。小学生の間は、子ども会の行事などに参加して、地域と身近に接しています。しかし、中高生になると段々と勉強や部活が忙しくなり、地域とのつながりが薄れていきます。
今回、市内で高校生がこのような活動を行っていることを知り、率直に言って驚きました。さらにもう一歩、それぞれの地元の地域に踏み込んでくれたら最高です。若者が地域に入ると、地域の雰囲気がガラリと変わります。
高校生は、若さに満ちあふれ、彼らにしかないパワーとアイデアは貴重です。今、地域で活動している子が特別というわけではなく、それ以外の高校生も、部活や他の場で頑張っており、地域で力を発揮する場がないだけです。今後は、地域の防災や賑わいづくりなど、地域活動のさまざまな場面で高校生が活躍する機会が持てるように、一緒に考えていけたら良いと思います。

横地地区コミュニティ協議会 会長
小林修巳(おさみ)さん(川島)
◆地元の高校生の存在無しではなりえない行事
横地地区では、毎年開催する地区センターまつりで、地元の小笠高校吹奏楽部の演奏会や草花部の鉢植えの販売を、何年も前から実施しています。センターまつりを運営するコミュニティ協議会のメンバーと一緒に、司会やお餅つき、大福作りなどもしてもらっています。
参加してくれる高校生は、自分から主体的に動いてくれます。若者が地域の中で活動すると、同世代の子どもや大人が来てくれたり、お客さんも楽しんでくれます。センターまつりの盛り上げ役として欠かせない存在になっており、これからも継続していきたいです。
◆高校生の力を改めて実感
今年は新型コロナウイルス感染症を考慮し、どのような形で実施するか迷いました。しかし、地元の人や参加してくれる人が何かしら地域で実施しようと、前向きに考えてくれました。イベントの開催機会が少なくなった今だからこそ、やるべきだと思い開催しました。吹奏楽部の皆さんも発表の機会が無いので、当日は張り切って演奏してくれましたし、高校生が来てくれると、会場が賑やかになるのを改めて実感しました。
地域に住んでいる高校生も、私たちと同じ地域の一員です。地域行事に彼らの力が生かせる形で参加してもらうことで、お互いが楽しむことができるのではないでしょうか

《Interview》
全国各地で、子どもや若者の地域づくりや政治参加を後押しする実践的な支援や研修を開催する土肥さん。高校生のまちづくり参画が、地域に与える影響について聞きました。

■高校生のまちづくりへの参加は現代のトレンド
一緒に未来をつくっていきましょう

NPO法人 わかもののまち代表理事
土肥潤也さん
平成27年に同法人を設立。県内を中心に、わかもの会議やユースセンターの発足・運営に携わり、31年4月から内閣府「子供・若者育成支援推進のための有識者会議」の構成員を務めている
◆高まる若者の重要性
人口減少社会への移行を受け、若者が早い段階から地域に関心を持ち、まちづくりの主人公として活躍する「わかもののまちづくり」の重要性が高まっています。私が代表理事を務める「NPO法人わかもののまち」では、静岡県を中心に全国の「わかもののまちづくり」の支援をしています。ここ菊川市でも高校生向けのワークショップをお手伝いさせてもらいました。
全国的な動向を見てみると、「子ども会議(議会)」や「若者会議(議会)」といった子ども・若者のまちづくり参加事業について、全国のおよそ6割の市区町村が取り組んでいる・取り組んでいたとされており、そのうち230以上の自治体は平成年以降に取り組み始めています(※)。

※出典:「子ども議会・若者議会全国自治体一斉調査」NPO法人わかもののまち(平成30年)

平成27年は、「地方創生」を掲げた「まち・ひと・しごと創生法」が公布された年であり、これを契機に多くの自治体が「わかもののまちづくり」に取り組み始めたと分析できます。
◆社会の受け手から主体へ
これまで高校生をはじめとする若者たちは、勉強が最優先であり、まちづくりの主体とは決して考えられていませんでした。しかし、時代は大きく変わり、市民活動やまちづくり活動に高校生がいるのは、当たり前の姿となりました。全国の動向からもわかるように、高校生がまちづくりに参加するのは現代のトレンドであり、高校生の意見を聞かないまちには未来がないと言っても過言ではありません。
◆若者の未熟さは新しさ
若者たちは住所を移すことで、まちの将来性を判断します。今、高校生たちの声をどれほど真摯に聞いてまちづくりに取り組むかで、年後年後の人口は大きく変わるでしょう。重要なのは、高校生もまちづくりの主体として位置付け、フラットな関係でまちの課題を語り合い、一緒に未来をつくっていくことです。
よく若者は未熟と言われますが、未熟には新しさの意味もあります。その新しさをまちに生かす菊川市でのさまざまな高校生の活躍は、今はもちろん長い目で見ても重要な取り組みです。菊川市が今回のような取り組みなどをさらに進めて「わかもののまちづくり」をリードする自治体となりえるのではないかと考えています。

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