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挑戦するかがわのものづくり企業(28)

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香川県

試し履きしてみると、驚くほど足を優しく包み込む絶妙なフィット感。ルームシューズから始まり長年育んだノウハウが、ギュッと詰まった一足です。足から暮らしと健康を考える、香川のものづくり企業を紹介します。

◆徳武産業株式会社
【住所】さぬき市大川町富田西3007
創業:1957年
【電話】0879-43-2167
【HP】https://www.tokutake.co.jp/

■介護商品から機能商品へ 足と心を支える理想の一足
○常識破りの「片方」販売
徳武産業のスピリットは「世にないものを生む」こと。創業者の代から「今後は暮らしが洋風になり、人々は海外に出ていくだろう」と見越し、いち早くルームシューズの製造を開始。旅行会社と共同で旅行用スリッパを開発するといった新しいものづくりを追求してきました。
OEM(他社ブランド製品の製造)ニーズに応えつつ「メーカーになりたい」という思いを募らせていた時、施設内での転倒が減らないことに悩む地元の福祉施設から「高齢者のための靴を作ってくれないか」と相談を受けました。「転倒事故の大きな原因は、履物だったんです」と、代表取締役社長の西尾聖子さん。ルームシューズのノウハウはありますが、靴づくりは初めてのこと。2年かけて500人のモニターに協力してもらい、開発したのが「あゆみ」シューズでした。
人によっては、左右の足の大きさが違い、片方にはぴったりでももう片方はサイズが合わないことも…。「そこで、片方ずつ売ることにしました。当時約3000社の靴メーカーが一切やっていなかったことです。靴づくりの先輩たちの反対を押し切ってスタートしました」。
発売25周年を迎えた現在、1日約7000足の注文があり、400足程度は片方のみ・左右サイズ別の注文です。左右の脚の長さが違う方、病気で足がむくむ方、片手のみでも扱いやすいベルトデザインなど細かい要望にも応えるため、靴底の厚さや横幅を柔軟に調整するパーツオーダーも受注。割合としては年間受注130万足のうち1%程度ですが「困っているかたがたは確実にいますから、続けていきたい」と西尾さん。
それでも悩みが解決しない人たちのためには「靴の医師」と呼ばれるドイツ人マイスターを招いて、月1回の完全予約制の相談会も実施。県外から訪れる人も多く、西尾さんは「想像以上に靴で悩む方は多いんだと実感しました」とかみしめます。

○若い世代にもPRしたい
同社はユーザーの心を大切にしています。「施設を訪ねてくる人が少なくなって、さみしい思いをしている方も多い。販売する靴には、社員の手書きメッセージを必ず添えます」と西尾さん。「こんな靴は初めて!」「手紙に励まされた」など3万通に上る手紙が届いており、そうした交流で寄せられた声をヒントに商品を改良したり新商品を開発することも少なくありません。歩行できなかった女性が「あゆみシューズを履きたい」と一念発起し、ついに歩けるようになったうれしい例も。
一般的に靴のデザインは1シーズンで入れ替わるものですが、同社の場合は「2足目も同じものを」という声が多いことから、3〜10年スパンで商品を販売しています。現在、施設用シューズを中心とする「あゆみ」、特定の症状を持つ人たちに合わせてデザインした「あゆみメディカル」に加えて、症状がないアクティブシニア向けの「aimyu(アイミュー)」を立ち上げ、3ブランド約80アイテムを展開中。あらゆるシーンでユーザーの健康と安全を支えています。
「元気に歩けるうちから正しい靴を選び正しい履き方でケアしておけば、深刻な悩みを抱えるリスクも少なくなり、介護予防につながるはず。介護用品のイメージを超えた『機能商品』として、より多くの皆さまの足元をサポートしたい」と西尾さん。新しいブランドイメージの確立に注力した結果、高齢化が進んでいた縫製スタッフにも、新卒や30代の若手社員が増えてきました。
本社併設の直営ショップは、広々として明るい雰囲気。「全シリーズ試着できますから、気軽に遊びに来てください」と、西尾さんは気さくに語ってくれました。

問合せ:(公財)かがわ産業支援財団 取引支援課
【電話】087-868-9904

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〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階

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