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シリーズ@じんけん Vol.419

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鳥取県鳥取市

「まずは知ってください 〜ハンセン病問題は人権の問題〜」

家族やふるさととの絆を断ち切られ、終生隔離、遺骨になってもまだ戻れない・・・。ハンセン病問題を知っていますか?

■ハンセン病とは
発病すると末梢(まっしょう)神経がおかされ、知覚麻痺がおこり、温度や痛みを感じなくなります。けがややけどをしても自分では気づきにくく、放置した結果、体の一部を失ったり、変形したりするという目につきやすい変化が生じました。そのため、偏見や差別の対象になりやすかったのです。
ハンセン病は、らい菌に感染することによって発病しますが、らい菌は感染力が弱く、感染しても発病に至ることはまれです。また、有効な治療薬がない時代には「不治の病」と言われていましたが、現在では、ハンセン病は確実に治癒する病気です。

■差別の歴史
ある日突然、家族と離れ離れにさせられ、二度と故郷に戻れなくなる。故郷の家族に迷惑をかけないために、偽名で生きることを余儀なくされる。結婚が許されるためには、男性は断種しなければならず、女性がもし妊娠すれば堕胎させられる。薬が開発され治癒する病気になっても終生隔離される。そして、亡くなり、骨になっても故郷には帰れない・・・。家族たちも差別を受け、結婚や就職を拒まれたり、住み慣れた土地から引っ越しを余儀なくされる。
ハンセン病は中世の頃から「感染力が強い」「遺伝する」という誤った認識や「天から受けた罪や報いの病である」という誤った考えから差別されてきました。1931年、「癩(らい)予防法」の制定により、在宅患者も強制的にハンセン病療養所に隔離されるようになりました。1936年頃には、国による強制隔離政策に従って「無らい県運動」が高まりました。岡山県にある長島愛生園に県出身者用の寮を建設するなど、鳥取県はこの運動に関与し、県民も積極的に加担してきた歴史があります。1943年にプロミンという特効薬が開発された後も、療養所入所者たちの断種手術が合法化されたり、強制入所が継続されるなどの政策が続けられました。
こうした人権侵害の法律が廃止されたのが1996年、その責任を国が認めたのは2001年でした。2009年には、元患者の社会復帰支援や名誉回復などを国に義務づけた「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が施行されています。
しかし、熊本県のホテルがハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否した事件など、いまだに偏見・差別が社会復帰や地域との交流を阻む大きな壁となっています。また、2016年には、元患者の家族によって、国の誤ったハンセン病政策で深刻な差別被害を受けたとして、国家賠償などを求めた訴訟が起こされました。原告となった家族も高齢化しているため、一刻も早い解決が求められます。

■教訓を未来に向けて
志村康(しむらやすし)さん(国立療養所菊池恵楓園入所者自治会長)は、ハンセン病問題を学ぶ子どもたちへ、このように話されるそうです。「人権と言うのはどこからはじまるか。お母さんのお腹にいのちが宿ったその時、いのちと同時に人権も宿るんですよ。だから、いのちと人権というのは同じものです。」
《「被差別マイノリティのいま」解放出版社》より
ハンセン病問題はまだ終わっていません。今現在も差別の連鎖は続けられています。それを断ち切るためにも正しい教育・啓発が必要です。
そして今も残る偏見・差別をなくするためにも、まずはこの問題について『正しく知る』ということが大切ではないでしょうか。

問合せ:本庁舎人権推進課
【電話】0857-20-3143
【FAX】0857-20-3052

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