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薩摩藩英国留学生記念館「れいめいの風」

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鹿児島県いちき串木野市

■展示資料紹介 vol.11
「長沢鼎直筆の雑記帳」

最年少13歳で英国へ留学した長沢鼎。その後米国へ移住すると、ワイン醸造に人生を捧げ、後に「葡萄王」と称され、カリフォルニアワインの礎を築きました。
しかしながら、成功への道は容易ではなく、若き日の彼は深い苦悩を抱えていました。1867年、15歳の長沢は留学を続けるため、他の5名の留学生とともに宗教家ハリスを頼り英国から米国へ渡りました。そこでは、厳しい労働に従事しながら、勉強に全力を尽くす日々を送ります。他の留学生達がハリスのもとを離れる中、長沢だけはハリスのもとに残ります。
当館の2階には、長沢が17歳の頃に書いた雑記帳が展示されています。書きなぐられた右項にはPrison(監獄)が15か所、Egypt(エジプト)が6か所書かれています。自身が置かれた状況をモーゼがエジプトからユダヤ人を脱出させた旧約聖書の「出エジプト記」に重ねたのかもしれません。この頃日本では、明治政府が誕生し、羽島から共に船出した学友たちは日本のためにそれぞれの道を歩んでいました。そんな彼らの活躍と自身の行動を比較し、恩人ハリスのもとに残るべきか、それとも帰国するべきか思い悩み、長沢の心はひどく揺れていました。この雑記帳にぶつけた悲痛な文字からは、人知れぬ嵐に抗う孤独で繊細な青年の姿がひしひしと伝わってきます。
記念館スタッフ 内匠 さやか

薩摩藩英国留学生記念館
【電話】35-1865

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〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階

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