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自治体の皆さまへ

犯罪のない明るい社会の実現を目指して 保護司×市長座談会(2)

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山形県 山形市

〈市長〉
保護観察をされているとさまざまな喜びとその一方で落胆もあると思いますが、印象に残っていることなどはありますか。
〈三森〉
一般的ではありますが、長年指導してきた対象者が、無事保護観察期間が終了して独り立ちできたときですね。立派に更生して結婚式に招待されたり、「懐かしいです」と訪問してくれるとうれしいです。いつのまにかPTA会長になっていて、学校の卒業式で顔を合わせたこともあったという保護司もいました。うれしかったそうです。
とにかく、いろいろな形で更生して、社会の中で活躍している姿を見たときはうれしいです。
半面、悲しいことは、いつのまにか連絡が取れなくなり、新聞で再犯を知ったときや、警察署から連絡が来たとき、また薬物依存に戻っていくなど再犯していったときは悲しい、むなしいと自らの力の足りなさを痛感します。
〈武田〉
今年、年賀状をいただきました。その中でアルバイトから正社員になったと報告してくれました。立派に更生したんだなと私もうれしくなりました。
〈菅〉
対象者は、庄内地方在住だった高校生の時、仲間と暴力事件を起こし捕まりました。両親は共働きで、保護観察処分になった息子を心配し、仲間から引き離すことを考え、山形市内のアパートに一人暮らしをさせました。こちらに来てからは、頑張って勉強して仙台の大学に見事合格しました。そのことを私の携帯に連絡してくれた時は、わが子のようにうれしかったです。一方で悲しかったことは、北陸地方に住んでいた窃盗癖のある高齢の女性のことです。山形市に住んでいる妹が引受人になって山形で同居を始めましたが、どうしても一緒には暮らせないとなってしまいました。市の生活保護申請に立ち会い、生活保護を受けることができました。しばらくして仙台の警察から連絡があり、大量の睡眠薬を飲んで病院に搬送されたとのこと。その後再犯をして力及ばなかったことが残念でした。
〈渋谷〉
保護観察を終了した対象者から数年後「おかげさまで結婚して子どもが生まれたので、先生に子どもの初宮参りをお願いしたい」という電話がありました。後日家族同伴で神社で再会したときは、立派なお母さんになっていた姿に心よりうれしかったですし、保護司冥利に尽きる思いがしました。一方で、山形市内の職場に勤めていて、どうしても面接に応じない対象者がいたのですが、何度か職場を訪問しているうちに、私が保護司をしていることが周りの人に分かってしまい、その対象者が職場を辞めて県外に行ってしまったというつらいことがありました。
〈市長〉
大変な思いと更生した時の大きな喜びを併せ持ったお仕事ですね。やはり保護司の皆さんの並々ならぬサポートがあって社会復帰が成し遂げられるのだと改めて実感しました。こうした活動が実を結び、更生保護を通して社会全体が明るくなることに期待したいです。
ところで、再犯者率が上昇していると聞きますが、再犯者率は高いのでしょうか。
〈渋谷〉
全国で刑法犯により検挙された者のうち、再犯者が占める割合は48.8%(山形県は44.4%)で年々上昇しています。また、刑務所を出所した者の約7割が再犯時に無職であったというのが現状です。
再犯を防ぐには、本人の更生にかける強い意思と地域住民の理解と協力、関係機関の働きかけや保護観察対象者に寄り添った支援が重要です。
山形地方検察庁では、「入口支援」として、市社会福祉協議会と連携し、知的障がいがある方や高齢の方で福祉サービス等を必要とする執行猶予者に対し、生活面や福祉面の支援をしています。昨年度の支援対象となった者は22人と伺っていますが、これは全国的に見ても先進事例で、高く評価されています。
一方、保護司会は、刑務所を仮釈放となった者等に対する支援である「出口支援」が主な仕事ですが、各所、団体との連携を強化して再犯防止に寄与していきたいです。

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