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市長独言 No. 44

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鹿児島県西之表市

■悲願の甑大橋を渡る

甑島列島を陸路でつなぐ仕上げの甑大橋(1533m)が今夏に開通したのを機に10月末、甑島を訪問しました。明治の半ば、甑島から種子島に計428戸が移住した縁から「薩摩川内市甑島・西之表市交流事業」に招かれ、柳原、野木平両地区の方々と訪ねました。

川内港から船で上甑島に渡ると、国定公園の多様な海岸景観が広がります。トンボロと呼ばれる砂州、なまこ池などの潟湖。上甑島南端に赤い鳥居の立つ大明神岩は、米などを蒸す器の甑(こしき)に似て、地名の由来とされます。恐竜の化石、瀬尾観音三滝、ナポレオン岩、玉石垣の武家屋敷通りなど見所は豊富です。

甑大橋は、中甑島と下甑島間の藺牟田瀬戸に架かります。潮流の速い難所で、巡視船の往来を考慮して中央付近の橋桁が高く造られました。南側の鳥ノ巣山展望所にある灯台は務めを終えて解体予定です。付近に自生するカノコユリ群落は夏、可憐な花を咲かせます。

列島は険しい山地が多く平地の狭い地形です。また、互いに近いのに往来が難しく、架橋は悲願でした。百三十数年前、小さな船に身を寄せ合い、種子島へと海を渡って来た人々の苦難にも思いが至ります。

ところで、種子島では今年、甘藷の基腐病が猛威をふるいました。全滅の被害に遭った畑に立って呆然とする農家の嘆きを聞き、県や国に窮状を訴えて、地元選出の国会議員には「農家の元気が出るように」と救済策づくりに尽力してもらいました。

自然災害への島人の苦難は、繰り返し起きています。甑島訪問市民団を迎えた薩摩川内市の岩切秀雄市長(11月退任)は「移住の歴史を伝えることは大切です」と先人の労苦に思いを寄せて語りました。今を生きる者として、次代に語り継ぐ役目を思います。

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