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篠原先生の「幸福人生のレシピ」

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千葉県大多喜町

「NPO法人自殺防止ネットワーク風」代表を務める篠原鋭一先生が、人生を楽しくするレシピをご紹介します。

■どんな怒りも長続きはしない!
この春結婚したばかりのB子さんが、大きなかばんを持って実家を訪ねました。ところがB子さん、あまり口を開きません。そこは人生経験豊かなお母さんのこと、一言B子さんに告げました。
「お前、夫婦げんかしてきたね。図星のようだね。けんかのとばっちりを受けるのはいやだからね。さあ、早くお帰り!」そういわれては、B子さんも黙っていません。
「何よ!なぜけんかになっちゃったかくらい、聞いてくれたっていいじゃない。今までずっとがまんしてきたけど、もうキレたわよ!迎えに来たって、帰ってやるもんか!」お母さんも引き下がりません。
「何があったか知らないけどねえ、黙って家をあけたら旦那だって心配するだろう。さあ、電話をかけて実家に来ているって伝えなさい。ちょっと父親の具合が悪いからとか何とかいって…。さあ、早く!」
「ほっといてよ!。今度という今度は許さない。何度言ってもお酒を飲んで、夜遅く帰ってくるのよ。夕飯作って待っている私はたまったもんじゃないわよ。仕事仕事って、仕事さえしていれば、私は、どうなってもいいっていうの?ああ、もう癪にさわる。電話なんか絶対してやるもんか!」
お母さんがB子さんの前にたちました。
「そうか、そんなに腹が立つなら、死ぬまで怒っていてごらん!いいよ!二度と旦那の所へは帰さない!一生怒ってここにいるといいよ!」
どうやらお母さんもキレたようです。
秋の夕暮れです。畑仕事から帰ったお父さんとB子さんが久しぶりの対面を楽しんでいます。お父さんが語りました。
「いろいろ条件が整ってお前たちは結ばれたんだ…。縁結びというが、強く結ばれた紐(ひも)でも綱でもちょっとしたことでゆるんだりほどけたりすることがある。ほんのささいなことが原因でね。夫婦の契(ちぎり)と言っても、もともと生まれも育ちも考え方も違う人間同士、しょせんは他人なのだから、いつもいつも強く結ばれているわけがない…。ときどき切れたりもするだろう。でも、縁さえあれば、またむすばれるんだなあ。おまえも縁をしっかり育てて、強い結び目をつくらねば…。どんな怒りも長続きはしないよ。一生怒っておられるもんか。どちらからでもいい。『ごめんなさい』っていえば、それでまた縁結びとなるさ。辛抱(しんぼう)というが、少々辛(つら)いことがあっても、自分の中に抱き込む心の豊かさを持っていれば、けんかはなくなるんだがなあ…」二人の背中を、お母さんがうなずきながら見つめています。

▽篠原鋭一(えいいち)氏
1944年兵庫県生まれ。駒澤大学仏教学部卒業。
千葉県成田市曹洞宗長寿院住職。曹洞宗総合研究センター講師。
同宗千葉県宗務所長、人権啓発相談員等を歴任。
「NPO法人自殺防止ネットワーク風」代表。
公立の小学校・中学校・高等学校を巡り「いのちを見つめる」課外授業を続けている。
「生きている間にお寺へ」と寺院を開放。
「少年院」「拘置所」で特殊詐欺犯罪の結末を説き続けている。

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