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自治体の皆さまへ

寄り添うために ひきこもり当事者・家族への支援(1)

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東京都中野区

社会問題となっているひきこもり。当事者の年齢や状態はさまざまで、相談できずに孤立するケースも多くあります。当事者や家族の力になりたいと活動する区内の2団体に話を聞きました。

■当事者・家族のための居場所
◆カタルーベの会

代表 中川さん
上高田在住、民生児童委員

◇中野に当事者のための居場所を
カタルーベの会を作ることになったきっかけは、2015年の中野区社会福祉協議会主催のフォーラムです。そこでひきこもりについての講演があり、当事者と家族にとって身近な居場所が必要だと強く感じて職員に提案しました。その後他団体の居場所を見学に行ったり、話し合いを重ねたりして準備。2017年に会を立ち上げました。
現在ボランティア経験者や元当事者など9人で活動しています。

◇それぞれが好きなように過ごせる空間を目指して
主な活動は、月に1度スマイルなかの(中野5-68-7)での茶話会。毎回2~3人が継続して参加しています。
当事者にとって会場に入るのは、とても勇気がいることなんです。「会場の前まで来たけれど入れなかった」という方もいました。だからこそ、来てくれた方には、「参加してくださってありがとう」という気持ちで接しています。
それぞれにひきこもらざるを得ない事情があり、それは百人百様。ひきこもりはこういう人と決めつけず、一人ひとりに寄り添うように心掛けています。
一方で、深い悩みを聞いた時、心理の専門家ではない私たちがどう対応すべきか迷うことも。当事者の状態などについて学ぶため、今年からスタッフみんなで改めて勉強を始めました。
一方的な場所の提供ではなく、それぞれがやりたいことを見つけて好きなように過ごせる空間を目指しています。

◇常設の居場所や社会参加のきっかけを
今後の目標は、困った時にいつでも相談できる場所を作ることです。また、当事者の社会参加のきっかけになるような作業やちょっとした仕事が提供できる仕組みを作りたいと考えています。
お渡ししたパンフレットで就労移行支援事業所の存在を知り、実際に仕事を始めた方がいました。また、「会に来ることがこれから先のシミュレーションになっています」と話してくれた方も。これからも一人でも多く当事者や家族の方の力になれたらと思っています。

○参加者(当事者)の声
スタッフが温かく何でも話を聞いてくれます。一人で過ごすことは苦ではないのですが、ここに来て誰かと話すと、運動した後のような充実感があります。

●カタルーべの会から
○当事者・家族の親戚やご近所の方へ
お子さんのひきこもりをきっかけに、親戚・近所付き合いができなくなる方が多いんです。家のことを聞かれるのがつらくなって、付き合いを絶ってしまう。なので相手から相談されない限り、「お子さんどうしているの?」などと質問しない方がよいのです。「元気?」といったごく普通のあいさつで十分。
相談された時には原因探しは避け、支援先を伝えたり、「相談先の窓口に一緒に行こうか」など声を掛けたりすると心強いと思います。

○当事者のご家族へ
ひきこもりの期間が長いほど、回復には時間が掛かります。まずはご家族が焦らず、今の生活を楽しむことが大切ではないでしょうか。

■親同士つながるための場所
◆中野わの会

代表 Aさん
区内在住、当事者の親として活動

◇親が変わらないと子どもは変わらない
自分の子どもについて相談していたKHJ東東京地区家族会「楽の会リーラ」から紹介され、カタルーべの会の発足に関わりました。「親が変わらないと子どもは変わらない」と考えていた私は、当事者の親同士がつながる場があればと2018年に中野わの会を立ち上げました。現在4人で活動しています。
会では月に1度、当事者の親が集まる月例会を開催しています。参加者は60代・70代の方が中心で毎回10人~13人ぐらい。内容は学習と懇談です。悩みは人それぞれ違いますが、他の家庭の話はとても参考になると言われます。「また来月も来ます」と声を掛けられた時はうれしかったですね。
区民活動センターなどでチラシを配布して、毎回2~3割は初めての方がいらっしゃいます。

◇親が社会とつながるための一歩を
私には25年間ひきこもっている息子がいます。ひきこもりについて勉強を始めてから、親の考えを押しつけないことや子どもの話を否定せずよく聞くこと、日常のあいさつなどを心掛けてきましたが、状況を変えるまでには至っておりません。
私のように、子どもがひきこもったまま40代・50代になってしまい、高齢の親が中年の子どもの世話をする8050問題も増えているんです。
当事者や家族に特に必要なのは、ひきこもりに特化した相談窓口や常設の居場所です。本人が就労して終わりではなく、その後も数年にわたって伴走していくような、継続的な支援が大切だと考えています。中野わの会では、親同士の交流会や常設の居場所づくりに取り組みたいです。
親が孤独だと、子どもも孤立してしまいます。まずは親が社会とつながるように。家族会はその最初の一歩です。悩んでいる親御さんがいたら、まずは相談できる場所が区内にあることを知って、一歩踏み出してもらえたらと願っています。

○カタルーベの会スタッフ 元当事者からのメッセージ
私は19歳から25歳ぐらいまでひきこもっていた経験があります。会では同じような体験を持つ方と話すことで、苦しいのは自分だけではないということが分かり、気持ちが楽になりました。周りの方には当事者の気持ちに寄り添った支援をしてほしい。
当事者の方へ。このままでは駄目だと思っている場合やどう行動すればよいか分からない時は、勇気を出して支援団体などに相談してみてください。

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