■助産師 林 和美(はやしかずみ)
当院の産婦人科は雲南圏域で唯一、分娩を取り扱っている施設です。年々少しずつですが分娩件数が増加しており、旧病院時は年50件程度だった分娩件数は、現在は2.5倍になっています。命の誕生に立ち会わせていただける嬉しさを感じつつ、二つの命を守る使命感を持ちながら仕事をしています。
混合病棟ではありますが、産婦人科に関しては外来との一元化をしており、妊娠、出産、子育ての継続した支援をするとともに、女性の一生をサポートする産婦人科として日々ケアを行っています。
◯初めての出産でも安心してもらえるように
妊娠期は外来担当の助産師と情報共有を行いながら、アドバンス助産師(助産実践能力習熟段階レベル3に認証された助産師)が中心となって助産外来を行い、妊婦健診や保健指導、乳房ケアなどを行っています。30分~1時間の予約制で行うことで、妊娠中の不調や出産への不安、子育ての準備、育児の困り事など、個別性を重視した対応を心掛けています。現在は、新型コロナウイルス感染症の流行により立ち合い出産ができず、集団での教室の開催も難しい中で、不安を抱えておられる妊婦さんも多くおられるため、入院案内や教室の内容、沐浴指導など動画での配信を行うなどの工夫も行っています。
病棟では24時間助産師が勤務しており、アットホームな環境で出産、子育てのサポートを行います。妊娠中からお産や育児の希望についてお話しさせてもらい、出産時には安全と安心を心掛けて、出産のお手伝いをしていきます。出産はご家族の一大イベントで、人生で一番といってもいいくらい幸せな瞬間でもありますが、命懸けでもあります。緊急対応が必要な場合もありますので、助産師全員が新生児救急蘇生法の資格を持っています。また、産婦人科医、小児科医とともに定期的に勉強会を一緒に行って、日々研鑽に努めています。
◯出産後もしっかりサポート
入院中は育児や授乳について手伝いをしています。母子同室をお勧めしていますが、人によっては赤ちゃんが泣いて寝不足だったり、うまく授乳ができなくて大変、という場合もあります。助産師が様子をみながら、赤ちゃんをお預かりしたり、乳房マッサージを行ったりします。スタッフと気軽に話しができる関係性を作れるからこそ、できるケアだと思っています。助産師の人数は決して多くはないですが、スタッフそれぞれが出産のお手伝いにやりがいを感じ、幸せな子育てをして欲しいという強い思いがあるからこそ心を込めたケアができていると思います。助産師のチームワークの良さも当産婦人科の誇れることの一つです。
産後は助産外来や健診で赤ちゃんの健康状態や体重増加をみていきます。産後2週間健診は助産外来で予約制で行います。特に初めての子育てに奮闘しているお父さんお母さんは不安なことや困り事も多く、お話を丁寧に聞きながら対応します。産後は子育てが大変なことに加えて、気分が落ち込んでしまうことも少なくありません。心と体のサポートがとても大事な時期ですので、寄り添ったケアができるよう心掛けています。
温かな雰囲気をモットーに、妊娠期から育児まで、幅広いサポートを充実させていきたいと考えています。たくさんの方に「次も市立病院で出産したい」と言っていただけるよう、皆で頑張っていきます。
◎バースレビュー(お産の感想)
※詳細は広報紙19ページをご覧ください。
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