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いつまでも自分らしく生きるために 知って安心!成年後見制度(1)

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福井県福井市

日常生活において、好きな物を買ったり、一人暮らしをするための契約を結んだりすることは、誰にとっても当然のことです。しかし、年を取ったり、障がいを持ったりすると、そうした行動ができなくなり、自分らしい生活を送ることができなくなってしまう恐れがあります。
今回の特集では、年を取っても障がいを抱えても、変わらず自分らしく生きられるように、家庭や地域社会で安心して暮らすことができるための選択肢「成年後見制度」について考えます。

●本人のための制度
成年後見制度は、加齢や障がいなどにより、自分一人での判断や行動に不安がある人の権利や財産を守り、自分らしく生きることを支援するための制度です。
この制度は、たとえ判断能力が低下しても、生き方を決めるのはあくまで本人自身であるべきという考え方に基づき、本人の意思や考えを尊重しながら、その人の持っている力を最大限に発揮させ、不十分なところを補うものです。

●後見人という安心材料
自分らしい生き方を支えてくれるのが「後見人(*)」です。後見人は、法的に権限が与えられた範囲内で、本人のために、身上保護や財産管理(下の表を参照)など、さまざまな支援を行います。
後見人には、本人の親族がなるケースも多いですが、多額のお金が絡んでいたり、内容が複雑な場合などは、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家が、後見人になることがあります。
*本特集で扱う「後見人」には、補助人、保佐人、成年後見人を含みます。後見人を立てるには、家庭裁判所で手続きをすることが必要です。

■茂呂先生に聞きました! 後見人が支援してくれること
弁護士 茂呂(もろ)信吾さん

▽身上保護-健康や療養のこと
・定期的な本人との面会、コミュニケーション
・本人の家族、福祉・医療関係者との連携
・福祉サービスを利用するための施設や事業所との契約
・市役所や銀行、年金事務所などから届く書類の確認
・介護保険や健康保険などの手続き
・ケアマネジャーや相談支援事業所との契約
・サービスの不履行がないかなどの確認
など

▽財産管理-お金のこと
・年金の振り込み手続き、受け取り
・銀行から現金の引き出し、本人への引き渡し
・通帳、定期預金証書、印鑑、年金手帳などの保管
・公共料金などの支払い
・不動産の維持管理、固定資産税の支払い
・遺産分割協議の手続き
・高額な売買契約などの取り消し
など

後見人が本人の権利や財産を守るために行う支援は、上記の二つに分けられます。本人の判断能力が低下したときに権利を侵害されやすいのは、お金の管理や支払い、福祉サービスの選択の部分です。これらを適切に支援することで、本人の自分らしい生き方を守ることができます。

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