■板ふのり
海藻のフノリを板状に成形して、天日乾燥などの加工を施したもの。煮て溶かし、羽二重や友禅など伝統的な繊維の糊(のり)剤や、陶器の釉薬(ゆうやく)、しっくいのつなぎなどに使われる。化学合成の糊には出せない、独特の風合いを出すことができる。板ふのりを製造する企業は全国でも数えるほどしかない。
▽私が手がけています!
(株)大脇萬蔵商店(宝永4丁目)
代表取締役社長 大脇豊弘さん
―どのような仕事ですか
日本で古くから使われてきた海藻「フノリ」を原料とする天然の糊剤を製造、販売しています。特に福井では、羽二重織物を織る過程で、縦糸の糸切れや毛羽立ちを防ぐための糊付けに用いられてきました。
―仕事をする上で大変なことは
フノリは栽培が難しく、年々収穫量が減少しています。加工も機械化できない繊細な手作業が必要とされるため、原料と人材の確保が、継続的な課題です。
―やりがいを教えてください
フノリは、食用や、建材、生活用品などにも用いられており、さまざまな可能性を秘めた天然素材です。伝統を守りながらも、新商品開発などの新たな挑戦を続けられるのが、フノリを取り扱う醍醐味(だいごみ)です。
―市民の皆さんに一言
近年は、文化財の修復剤などとして、世界的にも大きな再注目を浴びています。福井発のフノリの今後の新しい展開と活躍にご期待ください。
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