『新型コロナウイルス感染症と子どもの健康』
田川小児科 院長 田川 正人先生
新型コロナウイルス感染症の世界的流行が続いています。本稿執筆時点(7月)で日本国内では毎日多くの新規感染者が報告され、その中には多くの子どもたちも含まれます。子どもたちとそれを取り巻く保護者、関係者の皆さんがいかにして子どもたちに感染させないようにするか、毎日ハラハラしながら生活を続けておられる姿を見ると、頭が下がる思いがします。
まず感染させないためには何をしたら良いのか。それは現在一般的になされている感染予防対策を、より徹底させることにつきます。では、感染してしまった子どもたちには何をしたら良いのか。感染した子どもたちを診察し経過をみる機会が多くありますが、重症化して入院を必要とする子どもは極めて少なく、軽症なまま軽快することが多く、自宅療養中は普通の生活を送っていれば大丈夫です。例外は呼吸器や心血管系などの基礎疾患を持っている子どもたちで、重症化するリスクがありますので、いつもと変わった様子などが見られた場合は、かかりつけの先生にご相談ください。
自宅療養中は親子ともども自宅内に缶詰状態となってしまうために、とてもストレスを感じる生活を強要されます。このストレスをどのように発散するのかを家族でよく話し合い、なんとか隔離期間を無事乗り切っていただきたいと思います。一日数回はベランダや庭に出て、太陽光や外気に触れて気分転換をすると良いでしょう。
子どもたちに対して、新型コロナワクチンは接種すべきかどうかは家族でよく相談され、接種することのメリットとデメリットを天秤にかけて最終判断されることをお勧めします。デメリットについては接種後の副反応を心配される保護者が多いようですが、実際には子どもにおける副反応の頻度は成人と比較して低いとされています。一般的に子どもでワクチン接種が推奨されるのは基礎疾患を持つ子どもです。我が子の持つ基礎疾患が接種を推奨されるものなのかどうかは、かかりつけの小児科医に相談されてください。
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