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かみじま郷土話16

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愛媛県上島町

■生名島・岩城島の塩輸送
京都にある石清水八幡宮は、中世の伊予国で最も多くの荘園を有しており、上島町の島々では生名島や岩城島、佐島がその領有となっていました。生名島・岩城島には「禄塩」が課せられていたことから、荘園領主から塩の生産が期待されていたことがわかります。
文安2年(1445年)の1年間に、兵庫北関(現在の神戸港)に入関した全ての船の船籍地、積載品目、積載量、入籍月日、関税額、船頭名、問丸名が詳しく記載されている『兵庫北関入船納帳』によると、伊予国船籍の船は、弓削船籍が26回、岩城船籍が6回、伯方船籍が4回入船しています。積み荷のほとんどは「備後」(備後塩=塩のこと)でした。
生名島の名前はありませんが、岩城島と同じく塩の生産を行っていたことから、岩城船籍に乗組員が居り、生名島で生産した塩を運び出していたとみられています。
荘園の年貢は、梶取(かんどり)と呼ばれる百姓から選ばれた者が輸送しましたが、やがては同じ人物が輸送に当たっていることから、専門的な海運業者として成長したとみられます。この頃になると、船頭と呼ばれる人物が塩の輸送を行っていました。また、芸予諸島に籍のある船は同じ日に入関していることなどから、地域的な結束を強めた船頭たちによって航海の安全のために船団を組んで行動していたと考えられています。

問丸…商品物資の管理・中継取引業者

担当:教育課 曽根大地

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