市では、人生100年時代の到来を見据え、高齢者の皆さんがいつまでも自分らしく、いきいきと過ごすことができるよう、介護予防・疾病予防・健康づくりの一体的な取組を進めています。
令和2年度から「フレイル予防プロジェクト」を発動し、フレイル予防を目的とした複数の事業を実施しています。今月は、フレイルを防ぐ方法や市内で活躍するフレイルサポーターを紹介します。
■「フレイル」とはよく噛んで、よく食べることから
加齢とともに筋力や心身の機能が低下した状態で、「健康」と「要介護状態」の中間の段階を「フレイル」といいます。フレイルは、要介護状態になる危険性が高い状態であり、介護を必要とする高齢者の多くがこのフレイルの段階を経ています。
フレイルを放置すると、健康や生活機能を損なうことにつながりますが、早めに気づき、対策をとることで元の状態に戻ることができます。
■フレイルを防ぐために大切な3つの習慣
東京大学高齢社会総合研究機構の研究から、フレイルを防ぐための大切なポイントとして、栄養(食・口腔機能)、運動、社会参加の3つが挙げられています。
この3つの習慣をバランスよく実践し、フレイルを防ぎましょう。
(1)栄養(食)
ぽけっとステーション管理栄養士 早川恵(はやかわめぐみ)さん
塩分を控えるなど、バランスのとれた食事をとることで、体力や免疫力の低下を防ぎ、フレイルだけではなく、認知症予防にもつながります。
主食、主菜、副菜を揃えて、1日3食よく噛んで、いろいろな食品を食べましょう。水分をこまめに飲むことも大切です。
いつまでもやりたいことができる体づくりを、自分でコントロールできるように心がけましょう。
(1)栄養(口腔)
埼玉県歯科衛生士会歯科衛生士 西和江(にしかずえ)さん
10年、20年後も食べ続けるためにオーラルフレイル※とは、決して歯だけではありません。口腔全域を意味します。オーラルフレイルが重症化する前に、できるだけ早く自身で気づき、知識や情報を収集するなど、日々のちょっとした努力をはじめていきましょう。
フレイルチェック後の教室では、10年後、20年後も食べ続けるための専門的な知識だけでなく、気づきのサインやヒントをお伝えしています。
※オーラルフレイル:加齢による衰えのひとつで、食物を噛んだり飲み込んだりする機能が低下したり、滑舌が悪くなったりするなど口腔機能が低下しつつある状態のことを指します。
(2)運動
理学療法士 長濱(ながはま)よし美(み)さん
自分に合った運動を無理なくコロナ禍で活動量が以前より低下した人は多くいらっしゃると思います。日常の活動量が低下した状態が続くと、心身機能も低下しフレイルが進行してしまう可能性があります。
例えば、2週間の寝たきりによって失われる筋肉量は、普通に生活していて7年間に失う筋肉量に相当するといわれています。
ウォーキングなどの有酸素運動と、筋肉トレーニングやストレッチを組み合わせて、自分に合った運動を無理なく続けるようにしましょう。
フレイルチェックや教室では、自宅でできる簡単なトレーニングなども紹介しています。
(3)社会参加
フレイルサポーター 青木將(あおきすすむ)さん
一人ひとり違う、それが面白い私の社会参加のはじまりは、自分の健康のため「足が衰えるのを防ぎたい」というところからでした。そのため、はじめはフレイルサポーターではなく、ウォーキングの活動に参加していました。
そんな中、「フレイル」という言葉をよく聞くようになり、当時開催されていた講座でフレイルサポーターの募集が行われていたこともあり、フレイルサポーターとしての活動もはじめました。
フレイルサポーターの活動は、多くのフレイルチェック参加者との出会いがあります。当然ですが、参加者の皆さんは一人ひとり違います。健康に自信のある人もいれば、そうでない人もいる、こうしたいろいろな人との出会いやふれあいがとても面白いんです。
皆さんも“健康のため”をきっかけに、まずはフレイルチェックに参加してみませんか?
問合せ:長寿応援課
【電話】048-473-1395
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