染谷絹代(そめやきぬよ)市長が自ら、市政運営の方針を分かりやすくお伝えします。
今月のテーマ:「家庭の日」の過ごし方について
■家庭の日に関するこれまでの変遷
皆さんは、毎月第3日曜日の「家庭の日」をご存じですか。家族が一緒に過ごしてコミュニケーションを深め、家庭の大切さを考えるきっかけとする目的で設けられています。昭和40年代に静岡県が要綱で定め、第3日曜日がこれに充てられました。
その後、県は平成23年に家族のライフスタイルや意識の変化、就労形態の多様化を受け、各家庭の状況に応じて独自に設けるよう変更しています。この変更に際し、当市は「市民の意識付けを図るためには、日を設けた方が明瞭である」という当時の社会教育委員会からの提言を受け、教育委員会が従来どおり第3日曜日を家庭の日と定め、現在に至っています。
■総合教育会議で決定した今後の方針
本年6月市議会において、「家庭の日の趣旨には賛同するが、それをもって第3日曜日の学校の体育施設が借りにくいという制限につながるのはおかしい。スポーツ少年団を例にとれば、送迎から応援まで家族総出で行っているのであって家族が一緒に過ごしコミュニケーションを深めている。家庭の日を理由に、施設利用に制限をかけないでほしい」という一般質問がなされました。
今月はこの件について、教育委員5人と市長で構成する「総合教育会議」(全面公開)で話し合った結果を、市民の皆さんへ報告いたします。
結論から先にお話ししますと、総合教育会議のメンバーは、全員一致で第3日曜日を当市の「家庭の日」として継続することに賛同しました。学校体育施設の利用は、これまでも「学校施設・社会体育施設利用申請書」を提出していただくことで利用可能でしたので、これまでどおり柔軟に対応してまいります。過去にはスポーツ少年団などの活動が過熱し、小学生でも夜まで練習するといった時代がありました。今はもうそのように過度な活動はしていないという意見も頂きましたが、指導者の働き方改革という観点からも休日は必要です。第3日曜日は、できるだけ家族で過ごす日としてご理解いただければと思います。
■部活動の地域化から見る家族団らんの大切さ
家庭の日のあり方は、もともと部活動の地域化にも大きく関わる話だと思います。文部科学省は、2025年度末までに公立中学校の休日の部活動を地域のスポーツ団体などに移行させるという「部活動の地域化」の方針を示しています。
すでに沼津市などでは、平日の部活動日数を3日までとし、練習時間は午後5時までという方針を打ち出しました。教員や指導者の長時間労働が解消され、働き方改革につながることが期待される一方、地域の受け皿確保が課題となっています。当市においても、ゆくゆくは部活動の活動日数・時間などの方針を定めていくことになると考えます。こうした流れを考えても、休日を家族とどう過ごすかは大事な選択になってきます。
■多くの人に家庭の日を考えてもらうために
今回の「総合教育会議」における協議結果を踏まえ、当市としても第3日曜日の家庭の日の周知を早急に図ってまいります。その方策の1つとして、博物館などの市が直轄する施設においては、高校生までの子どもとその家族の入館料無料を検討します。指定管理施設においては、当面、特典などの協力を仰いでこの日を啓発するとともにインセンティブを創出していきます。また、ホームページや島田市公式LINEによる啓発、親学ノートなどへの記載により、家庭教育学級への周知を行い、保育園・こども園に通う子どもの保護者には、予定表や毎月の園だよりなどへ家庭の日について記載するなどして、周知を図ってまいります。
このほか、総合教育会議では「いじめや不登校が増えている現状において、子どもの心のよりどころが家庭の中にあることは大事」「市民への意識づけを考えた場合には、やはり日の設定があった方が良い」「昔は部活動がすごく盛んで、1年中運動をやりっぱなしだった。せめて、中学生たちとスポーツ少年団関係者が休養できる日を設定してあげたい」などの意見が出ました。
ここまで読んで、皆さんは「家庭の日」のあり方をどのように考えましたか。子どもたちの存在によって、親は「親」として成長させてもらっています。子どものいない家庭でも、高齢の家庭でも、家族のことを考える日になると良いなあと、心から願っています。
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