保護司とは、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間の更生保護ボランティアです。民間人としての柔軟性と地域の実情に通じているという特性を生かし、保護観察官と協働して保護観察処分を受けている人と面接や指導、助言などを行います。また、円滑な社会生活が営めるよう生活環境の相談にも応じています。
志免町では、現在12人の保護司が、年間を通して主に次の3つの活動を行っています。
◆保護司の主な活動内容
《保護観察》
保護観察処分を受けている人と、面接を月に2回~3回行い、保護観察期間中の遵守事項を守るよう指導します。
就労の援助や本人の悩みに対する相談などにも応じます。
《生活環境の調整》
刑事施設や少年院に収容されている人が釈放されたときに、必要な受入態勢を整えます。
《犯罪予防活動》
犯罪や非行の発生を未然に防ぐため、「社会を明るくする運動」などの啓発活動を行います。
▽「社会を明るくする運動」とは…
「社会を明るくする運動」は、すべての国民が犯罪や非行の防止と立ち直りについて考え、それぞれの立場で力を合わせ、犯罪や非行のない明るい社会を築こうという全国的な運動です。
この運動を通して、犯罪や非行を防止し、安全で安心に暮らせる地域社会を築くことや、犯罪や非行をした人が再び罪を犯さないように立ち直りを支援しています。
◆10月で保護司を退任された岩見俊秀さんの活動事例
岩見さんは、平成10年10月から令和4年10月までの24年間、保護司として活動されました。就任中は、糟屋保護区保護司会志免支部の支部長と糟屋保護区保護司会の会長も務められました。
▽保護観察の対象年齢は、20歳までとされています。以前、私が担当していた少年A君も20歳になり、保護観察が終了してからは会うことも連絡を取ることもなくなったので、どのように過ごしているか気になっていました。研修会でA君のことを知っている監察官に会い、思わずA君はどうしているかと尋ねました。すると、その監察官は言いにくそうに「A君はですね、亡くなったんですよ」と答えました。「事故ですか?病気ですか?」と聞く私に、監察官は小さな声でひとこと、「自殺です…」と。これには大変衝撃を受けました。
それまで私は、自分が起こした犯罪に対する後悔の念や社会復帰への悩みを持つ対象者に寄り添えるよう活動してきました。しかし、この出来事があってからは、まず命を落とさないための保護観察を心掛け、「命を大切にしなさい」ということを第一に伝えるようになりました。
道には、上り坂と下り坂があり、もう1つ“まさか”という坂があります。どの対象者にもこの、“まさか”がないことを願っています。
罪を犯すのも地域、罪を犯した人が帰ってくるのも地域、立ち直るのも私たちの地域です。皆さん、一緒に社会を明るくしていきましょう。
問合せ:福祉課福祉係
【電話】935-1038【FAX】935-2469
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