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特集 鳥獣被害対策 ~農作物を 生活を 守るため~(1)

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福島県白河市

特集 鳥獣被害対策 ~農作物を 生活を 守るため~
農林作物の鳥獣被害が後を絶ちません。狩猟人口減少などの影響により、野生動物の個体数が増加したためだと考えられています。
今月号では、有害鳥獣と日々戦う「白河市鳥獣被害対策実施隊」と、市の対策事業について特集します。

■鳥獣被害対策実施隊 市内4分隊 分隊長に聞く
今年4月に「白河市鳥獣被害対策実施隊」と名称を改めた市内4分隊。市と隊員との連携を強化するため、市職員も隊員に加わり、より一層の鳥獣捕獲推進を図っています。時に命がけで捕獲活動を行う実施隊の各隊長に、被害の現状と活動内容などについて聞きました。

◆鳥獣被害は増える一方です なんとかしなければ
白河分隊隊長
渡邉 正(わたなべ ただし)さん 隊長歴12年(隊員歴34年)
友人の父から猟銃を譲り受けたのをきっかけに狩猟を始め、隊員になりました。被害に遭った現場を見ると、本当にひどいものです。「1人でも多くの農家さんの役に立ちたい」という思いから、今まで活動してきました。
白河地域ではイノシシとハクビシンによる被害が多いため、小田川方面と白坂・旗宿方面に分かれ、週4回2~3人体制で、約120か所に仕掛けたわなの確認を中心にパトロールしています。
近年、住宅の庭先でも、家庭菜園の作物やユリの球根などを狙いに来たイノシシが目撃されています。人的被害につながる恐れもありますので、自己防衛を心掛けてください。菜園周りに紐ひもを張るだけでも効果があります。ぜひお試しください。
狩猟人口の減少に伴い、鳥獣個体数は増え続けています。繁殖力も強くなっているので、被害は増える一方です。また、隊員の高齢化が進んでいます。若い世代の方が加わらないと、隊の活動を維持するのが難しくなります。何か対策を打たなければならないと感じています。

◆実施隊の活動に対するご理解をお願いします
表郷分隊隊長
小山 定男(おやま さだお)さん 隊長歴3年(隊員歴7年)
「鳥獣捕獲は一人でできるものではなく、仲間といかに協力して行うかが大事」だということを、50年の狩猟経験から学びました。隊長として日頃から「隊員の輪」を大切にしています。
表郷地域では、社川(やしろがわ)の南側を中心にイノシシやカラスの被害が多く、食害のほか、イノシシは土手や田畑を荒らしたり、車との接触事故も起きていて、大変危険です。カラスは牛の背中をつついて怪け我がを負わせたりもします。そのため、隊員は土日を中心に2人1組でパトロールを行い、捕獲活動をします。被害には至りませんが、シカやサルの目撃情報も寄せられていますので、今後は、それらの生態や活動場所も勉強しなければならないと感じています。
農作物被害を減らすために、有害鳥獣捕獲は欠かせません。実施隊の捕獲活動により、田畑・山林や民家近くでも大きな発砲音が聞こえますが、隊員は必ず矢先を確認して発砲するようにしています。発砲音がすると危険だと感じる方もいるかと思いますが、民家方向には絶対に発砲しませんので、ご安心いただければと思います。

◆経験から得た知識を伝え捕獲技術向上に努めたい
大信分隊隊長
松本 広吉(まつもと こうきち)さん 隊長歴20年(隊員歴55年)
大信地域では、東日本大震災に伴う原発事故以来、イノシシの目撃や被害がかなり増えました。特に、モチ米やジャガイモ・カボチャの食害が多いです。
狩猟期間以外は、2名体制で毎日パトロールをしています。各地に仕掛けたわなを3日おきに見て回ったり、連絡のあった被害者のもとに駆け付け、被害状況の調査や捕獲方法を確認したりします。必要であれば、被害対策のアドバイスもします。
イノシシの捕獲では「くくりわな」を使用します。小さな仕掛けを踏むことでワイヤーに足を取られる仕組みなので、少しでも位置がずれるとわなは作動しません。けもの道はもちろんのこと、イノシシの生態や歩き方・歩幅に至るまで熟知していないと、捕獲することはできません。これまでの経験から得た知識を、研修会などで市内外の方に伝える活動もしています。
鳥獣被害対策には、鳥獣の住みかをなくすことが大切です。自宅周りや農地に、餌となる残飯や野菜くずなどを放置しない、農地と山林原野の境界の下刈り除草を行う、電気柵を活用するなど、皆さんのご協力をお願いします。

◆隊の存続が心配です 若い世代の方の入隊を
東分隊隊長
深谷 吉正(ふかや よしまさ)さん 隊長歴11年(隊員歴46年)
東地域ではカラスによる被害が最も多く、葉物野菜や果物の食害に限らず、ブロッコリーの苗などを、植えているそばから引っこ抜いてしまうようなイタズラもします。また、ハクビシンによるトウモロコシの食害や、カモが田植え後の苗を倒す被害も出ています。
隊長が被害や目撃情報をもとに市の担当者と打ち合わせ、捕獲許可申請などを行います。隊の活動は、土日早朝5時30分から7時まで行い、隊員はその日の被害状況に応じて、3~4人1組で各捕獲場所に向かいます。しかしカラスの数は年々増えていて、いくら捕獲しても被害が減らないのが現状です。
安全面から、隊員の活動範囲には限りがあります。住宅地や自宅の敷地内などでは、電気柵やわなの設置など、皆さんの自衛による対策をお願いします。
隊員の高齢化が進み、隊の存続が心配です。若い方にも関心を持ってもらい、隊に加わってもらえればと思います。また、隊員は地域の役に立ちたいという思いで活動しています。早朝の活動となりご迷惑をお掛けしますが、ご理解とご協力をお願いします。
※わなの設置には、原則わな猟免許取得が必要です。

■被害・目撃情報通報から実施隊の活動の流れ
(1)市へ被害・目撃情報の通報
(2)担当職員による聞き取り調査
(3)担当職員と隊長(隊員)が現場を確認
(4)捕獲活動ができる地区(鳥獣保護区・特定猟具使用禁止区域以外)であることを確認後、市が鳥獣捕獲許可を出し、隊員に「鳥獣捕獲従事者証」を交付
(5)実施隊が捕獲活動を行う
(6)市に報告するため捕獲状況(日にち・場所・数など)を記録し、焼却・埋設にて処分

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