■神原(かみはら)トーナル岩(がん)を貫(つらぬ)く 三都橋花崗岩(みつはしかこうがん)の露頭(ろとう)
作手守義にある鳴沢の滝から50メートル下流に行った地点の河床にある露頭です。ここでは黒い岩石と白い岩石が接している様子が観察できます。黒い岩石は神原トーナル岩という岩石で、今から約9500万年前に地下深くでマグマが固まってできました。白い岩石は三都橋花崗岩という岩石で、今から約8300万年前に同じく地下深くでマグマが固まってできました。露頭をよく観察すると神原トーナル岩に三都橋花崗岩が貫入している様子がわかります。このことから神原トーナル岩は三都橋花崗岩よりも先に形成されたことがわかります。
通常これら花崗岩類の形成年代を測定するには岩石中に含まれる鉱物(ジルコンやモナザイト)を機器で分析する必要があり手間がかかります。貫入した・された様子がわかるこのような露頭は、岩石の形成順序を一目で知ることができます。また、形成順序を調べる上で決定的な証拠にもなります。
問合せ:鳳来寺山自然科学博物館
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