■地域の力が、子どもの夢と可能性を伸ばす
本町では、町内のすべての小・中学校に学校運営協議会を設置し、学校・保護者・地域が一体となって子どもを育てる、「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」に取り組んでいます。
今年度の学校運営協議会では、「子どものスポーツ・文化活動の素地(そじ)※をどう育てるか」というテーマで意見交換を重ねてきました。
※素地…土台。もととなるもの。
▼部活動の現状と課題
中学校の部活動は、達成感・責任感・連携感・信頼感などの養成を通して、子どもたちの社会性や人間性を育むことを目的に行っています。
しかし、生徒数が減少傾向にある一方で、ニーズが多様化する状況のため、次のような課題に直面しています。
・部員数の減少により、質の高い練習やチームの編成ができない
・さまざまな要望があっても、部活動として新設できない
・競技志向やレクリエーション志向など、多様なニーズに応えられない
・顧問の先生が未経験の場合、専門的な指導が受けられない
・指導・大会引率などによる、教員の超過勤務・休日出勤
▼部活動の地域移行を考える
こうした課題を解決するためにも、今後は部活動を、学校を含めた地域全体で担う新しい仕組みづくりが求められています。
部活動の地域移行は、部活動を「地域に放り出す」ということではありません。各地域の実情やニーズに合わせ、持続可能で多様なスポーツ・文化活動への環境を一体的に整備し、「子どもたちの多様な体験機会を確保する」ことを目的としています。
▼課題の解決に向けて
地域移行により、部活動が抱える課題の解決を目指すには、次の取り組みが必要です。
▽協力体制の確立
総合型地域スポーツクラブや体育協会、スポーツ少年団を含む、地域のスポーツ団体・文化団体が、受け皿となって協力体制を確立し、新たな運営機関のもとで、組織的に子どもたちを支援する体制づくりが必要です。
▽指導者の養成
子どもたちが、安全・安心にスポーツや文化活動を楽しむためには、子どもたちと保護者から信頼される指導者の存在が欠かせません。そのためには、公認資格の取得や各種研修会への参加などを支援し、信頼される指導者を養成していくことが必要です。
▼地域活性化のチャンス
スポーツや文化活動において、楽しさや喜びを体験できる環境は、子どもたちの健全な心身の育成にとって大変重要です。部活動の地域移行により、学校・年齢の枠を超えて、子どもたちが地域の人たちと交流することは、子どものスポーツ・文化活動の土台となる環境づくりだけでなく、地域コミュニティを活性化させるチャンスです。
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