文字サイズ
自治体の皆さまへ

[特集]未来へつなぐ福島の伝統的工芸品(2)

2/18

福島県

■伝統を未来へつなぐ若手職人たち
《大堀相馬焼》
浪江町大堀地区に伝わる焼き物で、青ひび、二重焼き、浜通り駒の絵などの特徴がある。

◇伝統と革新の融合により生み出す新たな「大堀相馬焼」
ろくろ職人 吉田(よしだ)直弘(なおひろ)さん(空想窯)
京都美術工芸大学在学中のインターンシップ説明会で大堀相馬焼に触れ、出身地の関西地方ではほとんどない二重焼きという技法にまず惹ひかれました。実際、インターンシップで活動していく中で、機械に負けない速さでろくろを操る職人の技術の高さに憧れ、大堀相馬焼職人を目指す浪江町の地域おこし協力隊に応募して、関西から遠く離れた福島県にやってきました。
始めた頃は、1日20個作るのがやっとでしたが、経験を積み重ね、今では150個程度作れるようになりました。
これまでの大堀相馬焼の作風は生かしながら、自分なりに研究した水色系の釉薬(ゆうやく)を使うこと、丸いフォルムをした柔らかい形とすること、筆で器に飛行機雲や入道雲を描くなどの最後のひと手間を加えることが自分の作品(空想窯)の特徴です。
将来的には、大堀相馬焼の窯元として独立して、自分で商売をしていきたいです。そして、県外への出張販売なども積極的に行い、大堀相馬焼の販売を通して、浪江町の現状を多くの人に知ってもらうよう発信していきたいです。

《二本松万古(ばんこ)焼》
土の風合いが感じられる焼物で、手ひねり型くずし製法により作られる急須や湯呑みが代表的。

◇唯一の窯元として、守りたい伝統がある。
有限会社井上窯 井上(いのうえ)舞(まい)さん
二本松万古焼の唯一の窯元である井上窯の後継者として、日々製作に励んでいます。
二本松万古焼は、焼しめ(釉薬(ゆうやく)を施さない焼成方法)の土の風合いが感じられる焼物で、全国的にも珍しい木の型を用いた伝統的製法「手ひねり型くずし」による急須や湯呑みが代表的作品です。模様の特徴に梅や指跡などがあります。
私の作品では二本松万古焼の伝統を基に、自分で粘土からさまざまな陶印を創作し、その陶印で模様を付けた器やアクセサリーなどの新たな作品作りにも挑戦しています。
また、作品のアイデアに生かせればとの思いから、県が実施しているものづくり人材の育成講座「ふくしまクリエイティブクラフトアカデミー」に参加しています。今まで気付けなかった第三者からの意見や、他の伝統産業後継者の話などを聞く機会が得られ、大変勉強になっています。
今後はSNSなどでの情報発信や、個展や催事などで知名度を高める活動にも力を入れ、より多くの方々に二本松万古焼の存在を知っていただけるように、唯一の窯元として、これからも伝統を継承していきたいです。

《奥会津昭和からむし織》
昭和村で生産される、からむしという植物の繊維を素材として用いた織物で、吸湿性・速乾性に優れている。

◇村の暮らしとともに歩む「昭和からむし織」
からむし織研修生
佐原(さわら)一葉(かずは)さん
島村(しまむら)美緒(みお)さん
佐原さん:「道の駅からむし織の里しょうわ」でのコースター織体験がきっかけで、からむし織に興味を持ちました。元々、ものづくりへの興味があったことや自然の近くで生活したいとの思いから、からむし織体験生に応募しました。
からむし織は、畑仕事から糸づくりや織りなどの全ての作業に関われることが魅力です。その中でも、からむしの茎から糸を作るための繊維を引き出す「からむし引き」という作業は難しいですが、大事な作業だと感じています。
4年目になりますが、まだまだ技術を習得したとは言い切れません。ですが、これまでの経験を生かして、昭和村のからむし織に貢献していきたいと思います。
島村さん:編み組細工を取り扱う店に勤めていた時に、昭和村や織姫制度のことを知りました。県外出身で縁もゆかりもない福島県の昭和村に来ることに多少の不安はありましたが、興味のほうが勝りました。
からむし織の作業一つ一つが、村の暮らしや季節と密接につながっていて、そこにすごく魅力を感じます。
全ての作業に難しさを感じますが、一番長い時間をかけて取り組む苧績(おう)みという糸作りの作業は根気が必要となる大変な作業です。
3月に、体験生と研修生の作品展を予定していますので、それを成功させるように頑張りたいです。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU