- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道森町
- 広報紙名 : 広報もりまち No.249 令和7年12月1日号
■鷲ノ木遺跡の発掘調査(2)
今回は2022年以降に行われた鷲ノ木遺跡の発掘調査と最新の成果についてご紹介します。調査は遺跡の公開を目的とした整備工事のために行われ、2022~2023年は環状列石が造られる前からの土地利用状況を確認するため、中央配石や環状列石の直下を調べました。結果として大規模な活動痕跡は確認できませんでしたが、土器や土坑の出土や環状列石中央部での人為的なものと考えられる掘り込み跡などが検出されました。
2024年は遺跡の整備工事に先立ち、環状列石周辺での活動痕跡を調べるため、現在遺跡の出入りに使用しているゲートや解説板の周辺を掘削しました。このときの調査では、まばらに土器や石器などが少数出土するのみでしたが、縄文時代には傾斜の急な沢状の地形となっていたことを確認できました。
今年は、園路の設置を予定している範囲のうち未調査の地点を2か所、10月7日~24日の期間で掘削し、遺された痕跡の有無を調査しました。居住の痕跡は見つかりませんでしたが、約4,000年前(縄文後期)の土器を中心に複数の遺物が出土したため、環状列石の造成と近い時期の人々が周辺で活動していたことが伺えます。
詳細を報告する場は別の機会に設けたいと思いますが、詳しい成果を知りたい方は森町教育委員会社会教育課文化財保護係までお気軽にお問い合わせください。
