くらし [特集]ニセコ町の「湯」を楽しもう(1)

いよいよグリーンシーズンを迎えるニセコ町。外で体を動かして自然を体感することが気持ちいい季節になります。しかし、新年度が始まって2か月が経過し、新しい生活に少々疲れを感じている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時は、泉質豊富な町内の温泉で体も心もリセット!町の温泉の魅力を再発見しながら、温泉でリフレッシュして元気に夏を迎えましょう。

◆ニセコ「温泉郷」になるまで
ニセコ町と蘭越町に点在する温泉群「ニセコ温泉郷」。その歴史の始まりは、イワオヌプリ周辺で硫黄採掘が始まった明治時代、今から100年以上前までさかのぼります。
当時、硫黄採掘が盛んに行われ、たくさんの鉱業所ができたことで、イワオヌプリ周辺にはにぎわいが生まれました。また、明治37(1904)年には鉄道が開通したことで、人の往来が増加し、それに伴い、エリア内で多く発見された温泉に注目が集まり始めました。当時は、ニシン漁を終えた漁師や冬山を歩く猟師が温泉を利用していました。
そして、明治44(1911)年に日本にスキーが伝来。昭和3(1928)年に秩父宮雍人さまがスキーをするためにアンヌプリとチセヌプリを訪問。これをきっかけに、ニセコ山系のスキーと温泉が広く知られるようになります。
その後もイワオヌプリ周辺でさまざまな温泉が開業。昭和12(1937)年、五色温泉に「ニセコ山の家」が開業し、スキーや登山、沼めぐりりを楽しむ人たちでにぎわいます。昭和33(1958)年11月1日には、国民温泉保養地として指定され、それぞれの特性や魅力にひかれた多くの人が利用しています。

◆国民保養温泉地とは
温泉の公共的利用促進のため、温泉利用の効果が十分期待され、かつ、健全な保養地として活用される温泉地を「温泉法」に基づき、環境大臣が指定するものです。泉質や湧出量、環境などの基準をクリアした全国79か所(令和4(2022)年10月現在)の温泉が、国民保養温泉地として指定されています。

◆ニセコ温泉郷を知ろう!
歴史あるニセコ温泉郷。それぞれの温泉にはどのような特徴・魅力があるのでしょうか。

◇温泉地が点在
ニセコ温泉郷は5つに分けられます。
五色温泉:ニセコ連山を登山する人たちの拠点
昆布温泉:ホテル甘露の森やニセコグランドホテルなど施設が多く、各施設が源泉を保有している
湯本温泉:山スキーやキャンプをする人たちの拠点
新見温泉:湯本地区の西方約4.5km、現在施設は休業している
アンヌプリ温泉:ニセコアンヌプリ国際スキー場のふもとに位置し、登山やアクティビティを楽しむ観光客が多い地域
※詳細は本紙をご覧ください。

◇7種類の泉質
温泉の泉質は10種類に分類されており、そのうちの7種類がニセコ温泉郷に存在しています。そのため、さまざまな色や香り、効能を楽しむことができます。

ニセコ温泉郷の泉質:
(1)単純温泉
(2)塩化物泉
(3)炭酸水素塩泉
(4)硫酸塩泉
(5)含鉄泉
(6)酸性泉
(7)硫黄泉

そのほかの泉質:
(1)二酸化炭素泉
(2)含よう素泉
(3)放射線泉

◇目的によって温泉を選べる
泉質が豊富であることから、自分の目的に合わせて温泉を選ぶことができます。

「肌に潤いがほしい」
「体を温めたい」
そんなときは…「化物泉や硫酸塩泉」
→ニセコアンヌプリ温泉 湯心亭、いこいの湯宿いろはなど

「血行を良くしたい」
そんなときは…「硫黄泉」
→ホテル甘露の森や、蘭越町交流促進センター雪秩父(蘭越町)

「すべすべ、つるつる肌になりたい」
そんなときは…「単純温泉(アルカリ性)や炭酸水素塩泉」
→ワン・ニセコ・リゾート・タワーズや、まっかり温泉(真狩村)、幽泉閣(蘭越町)など