文化 栗山の知られざる歴史、今ここに蘇る 町史の隠れ家

町史資料調査室・研究員/青木隆夫

◆No.38 学校生徒を見守る武田義清(たけだよしきよ)の胸像
角田小学校の校門近くの校庭に樹木に隠れるように胸像が一体あります。正面を見据えたまなざしの先は、登下校する小学生の姿を見守っているようです。
角田小の関係者ならご存じかと思いますが、この像は明治期から大正期にかけて栗山の教育を担った武田義清校長その人でした。
武田校長は明治28年に三代目の角田小校長として赴任、以後、栗山小や岩見沢小、再び角田小で学校運営を担い、空知教育会、北海道教育会など地方教育界の重鎮としても活躍しています。後年、その業績が評価され、北海道庁長官表彰や文部大臣功績賞なども受賞。大正5年には道内では二人、北大総長の佐藤昌介(さとうしょうすけ)と並んで帝国教育会の功労賞を受けていました。
胸像は武田校長の没後となる昭和3年に、同窓生達によりその功を讃えるため建立されたものでした。太平洋戦争末期、泉麟太郎の像や角田神社の鐘(かね)などとともに、金属類の供出(きょうしゅつ)で一度は姿を消しましたが、昭和42年に再び「恩師の偉徳(いとく)を敬仰(けいぎょう)」するとして再建されています。像の制作者は盛岡勇夫(もりおかいさお)。3D写真画像を元に像を作る肖像系彫刻の専門家です。

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