くらし 月形花図鑑(10) その2

こんにちは。月形町地域おこし協力隊の石原絢子です。
こちらのコーナーでは、月形町で生産されているお花を詳しくご紹介しています。
今回は、前回に引き続き「ユリ」について掘り下げていきます。
月形町で昨年生産されたユリの品種は13品種で、なかでも「シベリア」は認知度の高い品種ではないでしょうか。白く清らかな花姿と開花後の甘い香り、しっかりとした上向きに咲く花姿に、花首も丈夫で扱いやすさを感じます。白いユリを仕入れる際、「カサブランカ」よりも「シベリア」を選ぶことが多いです。
この「シベリア」は日本原産のユリがヨーロッパに渡り、品種改良を経て誕生した「オリエンタル・ハイブリッド」の一種です。その歴史は、江戸時代末期にシーボルトらによって、日本のユリがヨーロッパに持ち帰られたことに始まります。「シベリア」はその改良された品種の1つです。
日本でユリの交配が始まったのは江戸時代と考えられ、1695年に記された「花壇地錦抄(かだんじきんしょう)」には、すでに37種の栽培品種が載っていたそうです。この品種が今もこうして残っていることに感動を覚えます。
古来から日本人に親しみのあるユリですが、白いユリはヨーロッパでも昔から大切な存在でした。それは紀元前からのようで、結婚式では花嫁が白ユリの花冠を頭に飾ったそうです。
キリスト教が勢力を広げてからは少しずつ意味合いが変化し、聖母マリアの純潔やイエスの死の象徴とされたようです。そのことからフランス国王は自らのシンボルをユリにし、自身が敬虔(けいけん)なキリスト教徒であることを示したのだとか。このユリの紋章を「フルール・ド・リス」といい、フランス軍の盾や紋章のデザインに多く使われたそうです。現代でもお庭のフェンスの先やオブジェに、このフルール・ド・リスのモチーフは人気ですね。
花言葉と「ユリ」の名前の由来についても見てみましょう。
ユリ全般に共通する花言葉は「純粋、威厳、無垢(むく)」。やはり聖母マリアやフランス王家、日本の神事に纏(まつ)わるもののようです。この花言葉からウェディングブーケにご希望される花嫁も多いですね。白いユリだけのブーケはエレガントでとっても素敵です。
また、「ユリ」の名前の由来ですが、特に原種のユリの花は茎が細く花が大きく、風に吹かれて揺れる様子から「揺すり」と呼ばれていたそうです。それが「ユリ」に変化したという説がひとつ。
もうひとつは、ユリの根の球根(鱗茎(りんけい))が何枚も重なり合っており、その鱗片(りんぺん)を一枚ずつ剥がすと100枚ほどになることから、「百の根が合わさる」という意味で「百合」という漢字が当てられたという説です。
また、鱗片(りんぺん)が「寄り集まっている」様子から「寄り」が「ゆり」に変化したといった説もありました。どれにしても「なるほど」と納得してしまいますね。
北海道では百合根をいただくことも多く、とても親しみのあるユリのお花。調べてみるともっともっと深堀りしたい内容が見つかりました。皆さんもお時間のあるときに、ぜひ、ユリについて深堀りしてみてください!また、ユリは出荷時、蕾の硬い状態なので、さまざまな品種の開花後の姿はなかなか多く見られないものです。もし、近隣の生産者さんからユリを受け取ることがあれば、ぜひ、品種名も教えていただいて、長く楽しんでくださいね。