- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県仙台市
- 広報紙名 : 仙台市政だより 2025年10月号
表紙で取り上げた場所や物事などを深堀りし、仙台の見どころなどを幅広くお伝えします
今月号の表紙は、収穫の時期を迎え秋の深まりを感じる泉区根白石の田園風景です。今回は、根白石周辺の歴史や魅力について紹介します。
◆田畑と歴史が織り成す風景
泉区根白石周辺には、広大な田畑と自然豊かな里山が広がり、四季折々の表情を見せてくれます。中でも、稲穂が黄金色に染まる秋の景色は、日本の原風景を思わせる美しさがあります。
古くから泉ヶ岳の湧き水に恵まれる根白石では、江戸時代の初めには稲作が可能な平坦地が整備され、農業地域として発展してきました。また、伊達政宗公の祖母・栽松院(さいしょういん)の墓所がある白石城跡をはじめ、政宗公などの位牌(いはい)がある満興寺や仙台藩二代藩主・伊達忠宗公の位牌がある大満寺など、伊達家ゆかりの史跡が多く残る地域でもあります。明治22年に、朴沢村など6つの村が合併して泉嶽(いずみだけ)村が誕生し、明治30年に根白石村に名称を変更しました。
地域には、市内で唯一現存する木造校舎の根白石小学校もあり、豊かな自然と長い歴史が織り成す風景が今もなお大切に守られています。
◆根白石に息づく農業と文化
根白石では、今も農業が地域の暮らしの基盤となっており、米やキュウリ、シイタケなどの栽培のほか、乳牛や肉牛の飼育も盛んです。こうした豊かな農産物を生かして、地域団体の主催で「IZUMI(イズミ)コメフェス」や「根白石おもしろ市」といったイベントが開催され、地産地消の推進や交流人口の拡大に向けた取り組みが積極的に行われています。
さらに、かつての根白石村から受け継がれてきた伝統文化も大切に守られています。その一つが、毎年8月6日から8日に行われる「根白石民俗七夕まつり」。鉢植えの笹竹(ささたけ)に一つ一つ丁寧に飾りを付け、こどもたちの目線に届くような背丈に仕上げるのが特徴です。こうした祭りは、地域の歴史や文化を次の世代へとつなぐ、大切な機会となっています。
このように、根白石には農業と伝統文化を通して、地域の絆が深く根付いています。ぜひ実際に足を運び、豊かな自然と文化を堪能してみてください。
