- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県多賀城市
- 広報紙名 : 広報多賀城 令和7年6月号
■収蔵庫の宝物 職員のイチオシ資料紹介
□鼓
南宮地区の旧家に伝わる鼓(つづみ)です。革の直径が約20センチメートルの小鼓で、漆塗りの胴には花車文様の蒔絵(まきえ)が施されています。小鼓は、左手で調べ(麻の繊維でできた紐)を持ち、右肩に乗せて右手で叩いて音を出します。能や歌舞伎の囃子(はやし)として用いられるほか、各種民俗芸能でも活躍します。
現在は行われていませんが、南宮地区ではかつて、7つの面をつけて踊る民俗芸能があったと伝えられています。この鼓は面とともに保管されていたことから、この民俗芸能で使われた可能性が高いものです。
7つの面は、昭和時代に他所に貸し出されたままこの家に戻ってくることはなく、現在も所在不明です。残った鼓のみ、令和2年に市に寄贈されました。
この舞がいつの時代まで行われていたか定かでなく、詳細を知る人も残っていません。
そのような中で、この鼓は南宮地区にあった民俗芸能の存在を唯一伝える貴重な資料です。
※紹介した資料は、6月末まで埋蔵文化財調査センター展示室で見ることができます。
問合せ:埋蔵文化財調査センター
【電話】368-0134