文化 自然歳時記

■オオルリ(ヒタキ科)
全長16.5センチほど。ウグイス、コマドリ、オオルリは日本の3鳴鳥で鳴き声がとても美しい。南へ渡る準備のため今はあまり鳴かない。瑠璃色でおなかは白く姿も美しい/七沢の谷間で見つけた。

猛暑日が続き、山の木々は元気ない。樹液を探す昆虫も数少ないが、渓流沿いの林を進むと、吹き上げる風が天然のクーラーとなり全てを忘れるほど気持ち良い。
「ピーリーピーリリリッ」と遠くから鳴き声が聞こえてきた。双眼鏡で谷間の方を探したが、なかなか見つからない。聞き耳を立てているとすぐ近くにいる気がして双眼鏡でもう一度のぞくと、意外にもそばのヤマフジの枝に止まって喉を膨らませ小さく鳴いていた。
「植物に昆虫に鳥に、そして人にも優しい地球を」と小声で鳴くオオルリが語っている気がした。

写真・文:吉田文雄

※写真は本紙をご覧ください。