- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県奥出雲町
- 広報紙名 : 広報奥出雲 令和7年8月号
日本遺産とは日本各地の文化や風習、文化財などを「ストーリー」として文化庁が認定したものです。認定された「出雲國たたら風土記~鉄づくり千年の物語~」を語る上で欠かせない文化財として、今回は「櫻井家住宅」を紹介します。
櫻井家住宅は、島根県東部奥出雲町の南端部の山間にある歴史的建物です。
江戸前期に「可部屋(かべや)」という屋号で鉄山業を営み、宝暦5年(1755年)には、松江藩から鉄師株仲間の代表である「鉄師頭取」を拝命し、鉄山業を取り仕切りました。
この住宅は狭隘な谷間に鉄師頭取の屋敷全体が残されている、非常に貴重な遺構です。
―ストーリーの位置づけ
櫻井家住宅は、たたら製鉄で財をなした鉄師頭取の邸宅です。
贅を凝らした佇まいは、往時の松江藩主・松平不昧公の御成の際の本陣宿として使われ、藩主はその後6回もこの地を訪れたといいます。戦国の世を乗り越え、財を築いた櫻井家の歴史と、たたら製鉄の繁栄ぶりを物語る建造物です。