くらし 【人権教育No.340】ともに生きる

■「一年のしめくくりに人を想う」
あわただしい年の瀬を迎えました。振り返れば、この一年のあいだにも、さまざまな出来事や出会いがありました。喜びの時もあれば、戸惑いや悩みや、悲しみの日もありました。そんな時、誰かの言葉や行動にどれほど支えられたことでしょう。
考えてみると、人権とは特別なことではなく「相手の立場になって考える」「気づいたことをそっと行動にうつす」そうした日々の、人を想う気持ちの中にあるのだと感じます。
12月4日から10日は「人権週間」です。この機会に、自分のまわりの人との関わりを振り返ってみませんか。自分が体験した喜びや困難。そのひとつひとつの中に、誰かに救われた瞬間はなかったでしょうか。それはきっと、相手があなたを「ひとりの大切な人間」として尊重してくれたからこそ、生まれたあたたかさです。人権が守られる社会というのは、特定の人たちだけのものではなく、あなた自身も大切にされ、守られる場所なのです。
新しい年も、互いを想い合う一年にしたいものです。家族や友人、職場や地域の中で、困っている人に声をかける、異なる考え方を受け入れる、感謝の気持ちを言葉にする。そんな小さな行いが誰かにとっての大きな励ましになります。「ありがとう」や「おつかれさま」のひとことが、心をほっとさせ、互いを認め合う関係を広げていくのではないでしょうか。

社会教育指導員 野中久美子(のなかくみこ)