- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県上天草市
- 広報紙名 : 広報上天草 令和7年5月号
■「熊本地震の経験をつなげる」
観測史上初めて震度7を2度記録した熊本地震の発生から9年を迎えました。災害関連死を含めると県内では、これまでに犠牲になった方が275人います。
災害関連死とは、建物の倒壊など直接の被害で亡くなったのではなく、避難所生活の負担やストレス、医療機関の機能停止による治療の遅れなどを原因として亡くなられた方のことです。熊本地震では、その割合が8割を超えています。
避難所という限られたスペースの中に、大勢の被災者が集まって生活を送るということには、私たちの想像を超える相当な身体的、精神的疲労があるのだろうと思います。例えば、プライバシーが確保されない、トイレが不足している、食料や水が十分ではない、災害によるショックや不安などのほかにも多くの原因が考えられます。さらには、小さい子どもから高齢者までが一緒に生活している避難所では、それぞれの困りごとを随時に把握し、細やかなサポートを実施するのは非常に難しいことです。
熊本地震で明らかになった課題の一つひとつを解決し、これからの私たちの教訓としていくことが重要なことであると考えています。本市においては、地震や津波の発生を想定した防災訓練を毎年実施しています。最近では、大規模な災害を想定して、関係機関と連携しながら、より実践に近い訓練となるようなさまざま工夫をしているところです。今年度は、内閣官房、消防庁および熊本県との共同で「防災フェスタ」を開催することとしており、その中で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施する予定です。
市民の皆さまの防災意識の更なる向上のために、今後もさまざまな状況を想定した訓練を実施してまいりますので、積極的にご参加くださいますようお願いします。