文化 『西南戦争と150年後のぼく』

北海道出身のJICAグローカルプログラム実習生が、西南戦争にまつわる史跡を巡り、心に感じたことを綴りました。

■その四「横平山古戦場」
横平山は西南戦争における三大激戦地のひとつである。山の上には人の背丈の2倍ほどの大きな慰霊碑がある。この戦争で亡くなった人たちのためのものだ。下の方には当時の凄惨な様子を書き表したプレートが付いている。22行にわたって書かれている文章の最終段落は「歴史は遠くなりつつあるが」から始まっている。この言葉を読んで少し胸が締め付けられる気持ちになった。
慰霊碑の横には展望台がある。展望台の上に降り立つと台の根本近くまで木々が生い茂っていることがよく分かる。茂った木々の先にふもとの様子が遠く見えた。手前にずいぶんと木が茂っているから、ここからふもとまでの距離は実際の距離よりも遠くあるような気がする。当時戦っていた人々のなかには、遠くふるさとを離れて戦っていた人も多くいる。彼らは心細かっただろうな、と思いを馳せた。
長谷川 健太