- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県竹田市
- 広報紙名 : 広報たけた 2025年8月 NO.245
■明治岡本井路堀河水路橋
7月、「竹田のかんがい用水群」が世界かんがい施設遺産として認定されることが決定した。
大正時代、現在の竹田市域では米の生産を高めるために、水路開発が盛んに行われていた。それはトンネルの連続で、難工事が待ち受けていたのだった。また、谷があれば水路橋を渡すか、サイフォンにするかであった。その中で、石橋の水路橋を取り上げたい。石橋の水路橋は、荻柏原井路、明正井路、そして石垣井路を有する明治岡本井路にだけ残っている。
明治岡本井路には、石橋の水路橋が3基ある。このほかに、岡本支線に2基あったが、水害で流失したり水路管に置き換えられたりしている。
■堀河水路橋堀
河水路橋は、高伏地区にある。高伏公民館の先、赤岩線寄りに短いトンネルがある。そこを抜けて右に600メートルほど下ると、田んぼの駐車場があり、そこから水路伝いに歩いて5分ほどの所だ。
水路はとても大きく、かつては700ヘクタールの水田を潤していただけのことはある。6年前の統計で、かんがい面積は約100ヘクタールというから驚きだ。
水路橋から隧道に入るが、これまた大きな規模である。石橋は、雑草に覆いつくされて、壁石とアーチの一部が見える程度。この堀河水路橋こそが、市内55基ある石橋のうち、私が最後にたどり着いた橋だ。それは、長く土地改良区の仕事に携わってこられた、田部さんの案内で実現したのだった。
(衛藤頼光)
参考…竹田市誌 奥豊後水路物語