◆立田村(藤原町)
美濃・近江・伊勢の国をまたぐ名山「三国岳」の山麓に位置する立田地区は、長い歴史と豊かな自然に恵まれた地区です。明治22年の町村制施行によって、篠立村と古田村の一文字ずつを取って立田村となりました。
篠立という名称の由来は、開拓の頃、その場所が篠竹が林立する山麓の荒野だったからと伝えられています。篠立には、養老6(722)年に禅宗の高僧泰澄(たいちょう)によって開かれた、市内では唯一の曹洞宗(そうとうしゅう)寺院の長楽寺があり、20年に一度開帳される秘仏「馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ)」が安置されています。県の天然記念物「篠立の風穴」には、独特の自然環境や地形の中で生息する、大変珍しい固有種「イシハシヤスデ」などが発見されています。
ヤマトタケル伝説が残る古田は、中世の城郭(じょうかく)「古田城址し」があり、現在では土塁と空堀が残っています。また、豊臣秀吉に仕え、松坂城の城主となる「古田重勝」、その同族で千利休七哲の一人で、織部焼で有名な織部流茶道の家元「古田重然(しげなり)(古田織部)」が幼少期に住んでいたと言われています。
◎馬頭観世音菩薩(藤原町篠立)
今年5月、20年ぶりに開帳されました。
執筆:ふるさといなべ市の語り部の会
問合せ:ふるさといなべ市の語り部の会 伊藤忠
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