~伝統あるまちなみを未来へつなぐ~
関宿は、昭和59年12月に国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されてから、本年12月に40周年の節目を迎えます。これを記念して、6月から「残していきたい関宿」をテーマとした子どもワークショップや関宿かるた大会などの開催を通じて、次世代を担う子どもたちへの愛着や誇りの醸成に取り組んでいます。11月には記念シンポジウムを開催し、まちなみ保存に関わる皆さんとのパネルディスカッションや関宿の保存団体による芸能披露などを行います。今後も、保存団体や地域の皆さんとの深い連携のもと、伝統的建造物の保存・活用などの取り組みを進めるとともに、東海道の宿場町で唯一の伝建地区である関宿の歴史的風致を後世に継承していきます。
■重要伝統的建造物群保存地区とは?
昭和50年の文化財保護法の改正によって伝統的建造物群保存地区の制度が発足し、城下町・宿場町・門前町など全国各地に残る歴史的な集落・町並みの保存が図られるようになりました。
市町村は、伝統的建造物群保存地区を決定し、地区内の保存事業を計画的に進めるため、保存条例に基づき保存活用計画を定めます。国は、市町村からの申し出を受けて、我が国にとって価値が高いと判断したものを重要伝統的建造物群保存地区に選定しています。これまで106市町村129地区が選定されており、関宿は全国で20番目に選定されました。
■重要伝統的建造物群保存地区選定40周年までのあゆみ
〇昭和55年(1980)
「関町伝統的建造物群保存地区保存条例」制定
〇昭和57年(1982)
「関町関宿伝統的建造物群保存地区」の都市計画決定
文化財保護法に基づく保存地区の選定申請
〇昭和59年(1984)
重要伝統的建造物群保存地区に選定【選定告示(12月10日)全国で20番目】
〇昭和60年(1985)
保存修理修景事業の開始
〇昭和63年(1988)
保存地区中心部(約900m)の無電柱化
関まちなみ資料館開館
〇平成4年(1992)
西追分環境整備
旧東海道1.8kmの地道風カラー舗装
〇平成9年(1997)
関宿旅籠玉屋歴史資料館開館
〇平成10年(1998)
百六里庭・眺関亭完成
〇平成11年(1999)
木崎地区の無電柱化
〇平成12年(2000)
新所地区の無電柱化
〇平成13年(2001)
関宿西の追分休憩施設(西の追分いっぷく亭)完成
〇平成14年(2002)
関宿地蔵町散策拠点施設(地蔵町いっぷく亭)完成
〇平成15年(2003)
関宿木崎町散策拠点施設(木崎町いっぷく亭)完成
〇平成21年(2009)
「亀山市歴史的風致維持向上計画」が歴史まちづくり法に基づき認定
〇令和元年(2019)
関の山車会館 開館
〇令和6年(2024)
重要伝統的建造物群保存地区選定40周年
~このまちで暮らす 思いをつなぐ~
■関宿のまちなみ保存に携わる担い手の声
◆保存活動が”まちの力”に
〇東海道関宿まちなみ保存会
理事長 増亦 肇さん
東海道関宿まちなみ保存会は、昭和55年の設立以来、関宿のまちなみ保存をはじめ、関宿かるた大会や市民への公開講座、関宿まちなみ音楽祭などを開催し、関宿のにぎわいづくりにも尽力してきました。
今回、関宿が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されてから40年を迎え、これまでの自分たちの活動がまちなみ保存に良い影響を与えていればうれしいと感じました。引き続き、地域住民としても関宿を盛り上げ、また、守り続けていきたいです。
◆人に伝え、改めて”まちを知る”
〇関宿案内ボランティアの会
会長 倉田 文男さん
関宿案内ボランティアの会は、平成12年4月に設立し、関宿への来訪者を案内することを通して、関宿の歴史文化資産の普及啓発に努めるとともに、文化の薫り高いまちづくりに貢献することを目的に活動しています。
関宿が重伝建選定40周年を迎え、引き続き、関宿の観光促進に努めることで、次なる関宿の未来に少しでも寄与できるように活動を続けていきたいです。
◆先人たちが残した”まちの景観”を守る
〇特定非営利活動法人 亀山文化資産研究会
会長 中浦 豊子さん
関宿の修理修景事業に設計士として携わるとともに、特定非営利活動法人亀山文化資産研究会の代表として、関宿の歴史的・文化的な資産を後世に残していくことができ、大変うれしく思います。
現在、関宿内の建物の修理修景完了率が6割を超えており、引き続き、仲間や現場の職人さんと共に関宿の美しいまちなみを保存していきたいです。
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