■伊賀の獅子舞・獅子神楽
お正月の行事として思い浮かべるものの一つに獅子舞・獅子神楽があります。幕を付けた獅子頭を操り、悪霊退散を願って笛や太鼓に合わせて舞い踊ります。
伊賀地域を代表するのが、敢国神社の獅子舞(県指定無形民俗文化財)です。これは、江戸時代の享保年間(1716〜36)には、伊賀の各地を巡奏していたことがわかっており、当時の人びとは獅子舞が巡り来ることを待ち焦がれたといいます。
敢国神社では、現在でも正月3日(初舞)のほか、4月17日(春祭り)、12月5日(例大祭・おんまつり)の年3回、神社の境内で奉納されます。五段神楽、剣の舞といった儀式舞ののち、鼻高、背つぎ舞など、芸能的な色合いの強い舞が行われます。
敢国神社の獅子舞は、江戸時代に伊賀地域の各地に伝えられました。その中で今でもみられるのが、島ヶ原の獅子踊や種生の獅子神楽(いずれも市指定無形民俗文化財)です。
島ヶ原の獅子踊は、日本一遅い秋祭りと呼ばれる12月中旬に行われる鸕宮(うのみや)神社の例大祭で、4頭の獅子により舞が奉納されます。また、種生神社の秋祭りでは、獅子神楽の奉納や獅子を先頭に太鼓、笛、面、神輿、舟檀尻、こたつき、相撲旗の順に御旅所まで3往復する巡行が行われます。
なお、春日神社の祭礼などで奉納される川東の獅子神楽(市指定無形民俗文化財)は、平安時代に始められたとの伝承があり、かつては伊賀の北東部42カ村を巡奏していたと伝えられています。
地域に伝えられている獅子舞・獅子神楽からは、人びとの安寧に対する深い祈りを感じることができます。
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