■コウノトリの飛来について
近年、市内で「コウノトリ」の飛来が確認されています。
コウノトリの特徴は、まっすぐに長く伸びた太く黒いくちばしで、全身は白い羽毛で覆われ、尾にかけて黒い羽毛が混じります。コウノトリは、かつては日本各地に生息し、江戸時代までは幕府によって保護されていたのですが、明治以降乱獲されたり、戦時中は木材が大量伐採され、営巣環境を失ったりしました。さらに、ほ場整備・河川改修などにより湿地が消滅したり、農薬の使用により餌である生き物が減少したりと、生存環境は激変し、昭和46(1971)年に、日本で野生のコウノトリは絶滅してしまいました。
その後、保護・繁殖、放鳥に取り組み、現在では370羽程(令和6年3月現在)のコウノトリが野外に生息するところまで回復しました。貴重な大型水鳥であり、昭和31(1956)年に「文化財保護法」によって国の特別天然記念物(地域を定めず)に指定されています。ま
た、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(以下「種の保存に関する法律」)でも国内希少野生動植物に平成5(1993)年指定され、保護されています。伊賀市周辺では、8月下旬から9月頃に目撃情報が寄せられることが多いようです。
コウノトリを見かけたら、次のことに気を付けてください。
・コウノトリを驚かせないよう静かに見守りましょう。
・観察や撮影は150m(車内からは100m)以上離れましょう。
・2月から7月は繁殖期間です。巣に近づかないようにしましょう。
・巣の近くを通る場合は、静かに立ち止まらずに通り過ぎましょう。
・コウノトリに餌を与えることは絶対にやめましょう。
コウノトリは「文化財保護法」や「種の保存に関する法律」で保護されているため、無断で飼育や焼却・埋葬などの処分を行うことはできません。もし市内でけがをしたり、遺骸を見かけた場合は、文化財課まで連絡をお願いします。
コウノトリが生息するには、豊かな自然環境が不可欠です。コウノトリの飛来は、その地域の水と緑がとても豊かであることを意味しています。
問合せ:文化財課
【電話】22・9678【FAX】22・9667
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