■「観光だけ」じゃない!伊賀の伸びしろ
市長:先ほどからインバウンドの話がありましたが、例えば、飛騨高山ではいわゆる観光ではなく、普通の日常の暮らしを求めて外国の人がたくさん来ているそうです。伊賀にも忍者やお城、お祭りなどの観光資源があるけれど、普通の暮らしにも興味深いものがあると感じませんか。
吉田:そうですね。以前、伊藤さんとお話ししたことがあるのですが、海外の人は日常の暮らしを垣間見ることに、すごく喜びを感じてくれます。
市長:旧郡部や街中での暮らしにスポットがあたることはなかなかないので、ここはやっていくべきことだと思うし、伸びしろが随分あると感じています。また、それによって地域の元気にもつながっていくと思いますが、皆さんはどう思いますか。
吉田:例えば、伊賀市を訪れた人が、中心市街地に行く交通の手段はたくさんあるけど、そこから同じ日に旧郡部にも行こうとすると交通の手段がかなり少ないんですよね。今後は伊賀市全体として、何かしらのツアーをしていきたいと思います。中心市街地と旧郡部を結ぶツアーを交通網も含めて企画していきたいです。
伊藤:私も海外へ行ったら、地元のローカルなお店に行きたい気持ちになります。それと同じで、海外の人が日本に来たときに、例えば菜食主義のヴィーガンやベジタリアンの人は食べ物に困ることが多いそうですが、日本の地元のお店は、豆腐の種類がとても多いことに驚くそうです。日本に住んでいると当たり前に感じることでも、感激してくれるポイントはたくさんあります。
市長:私も海外旅行に行くとその町の市場に行って、その土地のものを見て食べるのがおもしろいと感じます。そう思うと、伊賀にはまだまだ伸びしろがありますよね。ぜひ、この辺りをデータ分析して提案していってほしいと思います。
■何をどう伝える?情報発信の大切さ
市長:ところで、皆さんはどうやって情報発信をしているのですか。
吉田:主にインスタグラムで発信しています。ストーリー機能を含めれば、ほぼ毎日投稿しています。
市長:投稿はこまめさが大事ですよね。見る人は何か新しい話題があるかどうか常にチェックしますから、「まだ更新されてないのか」と思われてはだめですよね。
伊藤:私は、当初「伊賀イド」という市の観光ウェブサイトのSNSを担当していたのですが、他の業務もあったりして、更新頻度は大事だと思う割には、なかなか投稿できていませんでした。今は辻さんも隊員として来てくれたので、投稿の方法をより深く話すようになり、今ちょうどSNSをどのように運営するか話し合っているところです。
市長:一人より二人、二人より三人で、お互いに協力していくことが大事ですね。これからどんなことをやっていきたいですか。
吉田:これまではイベントの準備で手いっぱいになることが多かったので、もっと対外的にPRをして、外部からたくさんの人に来てもらえるイベントを開催したいです。
市長:海外の人が伊賀の暮らしを体験できるような催しなんかも、ぜひモデルケースでやっていただきたいと思います。
吉田:それはぜひやってみたいですね。
市長:来る人が何を求めているのかをしっかり理解した上で、受け入れ体制や設備を整えることが重要だと思います。伊藤さんは伊賀に行きたいという外国の人がいたら、どんな知識を伝えてどんなところを案内したいですか。
伊藤:私が海外の友達にいつも言っていることなのですが、伊賀が他のところと違うのは、伊賀は忍者が本当に住んでいた街だということです。街全体がアトラクションになり得て、例えば「伊賀に自生している野草は忍者も食べていたかもしれない」とか、どこをとっても全部が忍者につながっていくんですよね。私は歴史が好きなので、どこかへ行くとその場所の歴史に思いをはせたりします。それと同じことが伊賀でもできると思っているので、見えるものだけではなく、リアルな歴史がある場所だと感じてもらえるような部分も伝えたいと思います。
市長:辻さんは今後どんなことをやりたいですか。
辻:若手の力をもっと活用していきたいという思いがあります。若い人たちが興味を持つ仕事を自ら創出し、外から来てもらったり、学生が伊賀に残りたいと思えるようにしたいです。
市長:お互いに協力すると、おもしろいことがいろいろできそうですね。今日お話を聞かせていただいて、お三方それぞれに思いや考えがありますが、きっとめざすところは同じなのかな、と感じました。今日を機会に、三人が一緒になって知恵を出し合いながらこれからも頑張ってください。大いに期待しています。ありがとうございました。
隊員:ありがとうございました。
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