「人生100年時代」を見据え、認知症とともに「自分らしく」生きていくためにできることとは――。
認知症の人が増え続ける中、当事者、家族、地域としてどう向き合っていけばよいかを考えます。
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■3人に1人
2040年の認知症・軽度認知障害高齢者
認知症の高齢者は増加傾向にあり、厚生労働省によると2025年は471.6万人、団塊ジュニアの世代が65歳以上になる2040年には、584.2万人にのぼると推計。そのころには、高齢者の3人に1人が認知症か、認知症の前段階の軽度認知障害(MCI)になると考えられています。
※令和6年5月認知症施策推進関係者会議資料より
◇解説「認知症」と「軽度認知障害(MCI)」
「認知症」は、脳の病気や障害などによって認知機能が低下し、日常生活に支障が出ている状態を指します。
一方、「軽度認知障害(MCI)」は、認知症と診断される手前の段階。物忘れなど軽度の認知障害が見られるものの、日常生活には大きな支障が出ていない状態を指します。
■認知症に対するイメージは?
広報eモニターアンケートより
※回答者54人/複数回答可/アンケート詳細は市HP
・自分や家族が認知症になることが不安(76%)
・認知症になっても前向きに自分らしく暮らしたい(44%)
・暴言・暴力など周りの人に迷惑をかける(37%)
■認知症のイメージは?
「認知症」と聞いて、漠然とした不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。「広報なばり」の読者アンケートでも、多くの人が認知症に不安を抱いていて、「周りの人に迷惑をかける」「何もできなくなる」など、深刻で悲観的なイメージを持つ人も多く見受けられました。一方、「認知症になっても前向きに自分らしく暮らしたい」と考える読者も少なくありません。
■認知症と診断されて
「誰もが認知症になる可能性があるので、なったらなったで仕方ない。大切なのは、そこから認知症とどう向き合うか」と話すのは、市内在住の杉本栄三さん。物忘れが多いと息子に指摘され、かかりつけ医を受診。今年5月に認知症の診断を受けました。当初はすごく落ち込んだそうで、「目の前が真っ暗になった」と思い返します。
そんな時、「大変な時もあるけれど、できるだけ住み慣れた地域で、これまでの生活を続けていこう」と励ましたのが、妻のサヨ子さん。読書好きだった栄三さんは、図書館で認知症に関する書籍を何冊も読み、認知症への理解を深めていきました。「私を支えてくれる人もいますし、気持ちを切り替え、前向きに過ごしていこうと決めました」と栄三さん。今では、朝日を浴びながらのウォーキングや、栄養バランスのとれた食事に気を配るなどして、生き生きと毎日を過ごしています。
認知症とともに「自分らしく」暮らし続けるために、何が求められるのか。「人生100年時代」に向けて考えておきたい重要な課題となっています。
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