本市の空き家の数は約1.8万戸(※)と推計されています。空き家率は12.1%と全国や三重県と比較して低い状況にありますが、その数は増加しています。(※平成30年)
空き家を放置すると、問題が起きることもあります。適切な管理について考えてみませんか。
■「まだ大丈夫でしょ」⇒ちょっと待って!
空き家は個人の財産であり、所有者や管理者は、空き家を適切に管理する責任があります。空き家を適切に管理せずに放置すると、建物の劣化が進み、防災面や防犯面、衛生面の問題が発生する恐れがあります。
●老朽化による倒壊の危険
使われていない建物は、急速に老朽化が進みます。外壁などの落下や倒壊で、死亡事故や人身損害が発生する可能性が高まります。
●景観の悪化
草木の生い茂りや不法投棄により害虫や害獣のすみかになります。そのまま放置しているとご近所に迷惑をかけるかもしれません。
●放火による火災
管理が行き届いていないと放火されるリスクが高まります。近隣まで延焼した場合、たとえ第三者が放火したとしても、所有者の責任を問われることがあります。
●治安悪化
所有者の私物が置いてあるような空き家は不審者が侵入し、そのまま寝泊りしているという事例も報告されています。
●特定空家等に認定されるかも!
「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、空き家を放置していることにより周辺に悪影響を及ぼすとみなされる場合、市が「特定空家等」に認定し、改善のために指導などを行います。
▽「特定空家等」に認定され、市からの勧告や命令に基づいて改善しないと…
・固定資産税の特例(※)が適用されなくなり、土地の固定資産税額が上がります。
・命令に違反すると50万円の過料が科される可能性があります。
・最終的には行政代執行で解体される可能性も。かかった費用は所有者が全額負担することになります。
・令和5年12月の法改正により、放置すれば「特定空家等」となるおそれのある空き家=「管理不全空家等」も指導・勧告の対象となり、勧告により土地の固定資産税が上がります。
※住宅用地は、その税負担を軽減することを目的として、その面積の広さによって、固定資産税の評価額が最大6分の1になるなど、減額されています
■「うちには関係ない」⇒本当に?
空き家の取得の多くが相続によるものです。今後、少子高齢化の進行などにより、さらに空き家が増える恐れがあります。空き家を発生させないためには生前の対策が重要です。
▽生前に相続対策について話し合いましょう
残された家族が相続で悩んだり争い事にならないよう、相続の問題について生前の対策を取っておきましょう。
生前の対策としては、親族間で話し合う場を持ち、遺言書の作成や生前贈与の方法を検討することなどがあります。エンディングノートを作成し、残された家族に自身の希望を伝えるのも一つの方法です。遺言書の作成や生前贈与などにはルールや必要な手続きがありますので、司法書士などの専門家に相談しましょう。
■「もし空き家になってしまったら?」⇒空き家は早めに活用してください
人が住まなくなった家は早く老朽化し価値が低下します。定期的に管理を行うとともに、空き家を建物として利用できる間に早めに活用しましょう。
▽自分で管理
空き家を所有しているが将来使う予定がある場合などは、定期的に換気や掃除、庭木や雑草の手入れをしましょう。自身で管理できない場合は民間の空き家管理サービスなどを利用しましょう。
▽解体する
空き家を解体して、跡地を駐車場にしたり、貸地としたり、土地を活用する方法があります。解体業者や建築士などに相談してみましょう。
▽売却する
売却し、次の所有者に活用してもらうのも活用方法のひとつです。まずは、不動産業者に相談してみましょう。
▽賃貸に出す
不動産業者に仲介を依頼するのが一般的です。まずは、不動産業者に相談しましょう。また、どんな用途(主に居住用または事業用)で貸すかも検討しましょう。
■「市が何とかしてくれる?」⇒問題の解決は所有者が行うものです
草木の生い茂り、建物の一部破損など、周辺に対し影響が出ている空き家について、市へ多くの相談が寄せられています。市では、空き家の状況を確認したうえで、必要な対応を所有者へ働きかけています。こうした状況になる前に早めの活用、適切な管理をお願いします。
なお、空き家の活用や解体に関しての支援制度がありますので、ご活用ください。
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