■聖武天皇にまつわる伝承「笠取池跡(鏡ヶ池)」(大矢知)
奈良東大寺の大仏建立で知られる聖武天皇が、朝明郡(現在の四日市北部)を訪れたのをご存知ですか。
聖武天皇は740(天平12)年10月29日、天然痘(てんねんとう)の流行や九州での戦乱が勃発する中、平城京を出発し、伊賀・伊勢・美濃・近江を巡りました。これは「聖武天皇東国行幸」と呼ばれるものです。
この行幸は、672年の「壬申の乱」の際に、曾祖父である大海人皇子(おおあまのみこ)(天武天皇)がたどった行程を追体験したものと考えられます。
「続日本紀」によると、聖武天皇は朝明郡に11月23日に入り、2泊したとされています。その際の伝承が大矢知地区に残っています。突風により天皇の笠が池に落ち、村の少女が拾って渡したことから「笠取池」となったこと、また天皇が去る際に池に天皇と見送る少女の姿が映ったことから「鏡ヶ池」とも呼ばれた、という伝承です。現在、旧東海道沿いに池はなく、伝承を伝える石碑と説明板が立っています。
今年は聖武天皇が724年に即位して1300年の節目の年です。いにしえに想いをはせてみませんか。
問合せ:文化課
【電話】354-8238【FAX】354-4873
<この記事についてアンケートにご協力ください。>