空き家を活用して、既存集落の維持と地域再生
近年、大きな社会問題になっている「空き家」。特に、都市部ではない、集落が点在するような地域では深刻になっています。一方で、在宅勤務など働き方が変化する中で、「イナカ」暮らしの良さに注目が集まっています。本市の都市部(=トカイ)に隣接する市街化調整区域(=イナカ)における新しい取り組みや補助制度を知り、これからのまちづくりについて、考えてみませんか。
■「トカイナカ」とまちづくり
本市では、優良な農地や自然環境の保全などを図りながら市街地の整備を進めるため、都市計画法に基づいて市街化区域と市街化調整区域に分けたまちづくりを進めています。
市街化調整区域では、市街地の無秩序な拡大防止や環境保全などの観点から、原則、建築行為は制限されています。
・指定既存集落(※1)…市街化調整区域
・都市計画区域
・市街化区域
※1 独立して一体的な日常生活圏を構成していると認められる大規模な集落を既存集落といい、その中であらかじめ市長が指定したもの
空き家が増えると、地域の活気がなくなってしまいそう…
市街化調整区域では、空き家の活用も制限されているの?
■市街化調整区域における既存集落の維持・地域再生に向けた取り組み
市街化区域と比べ、建築行為が制限されている市街化調整区域の既存集落では、空き家の増加とともに、人口減少や地域コミュニティの維持などが課題になっています。
そこで、既存集落などにある空き家を、これまでは認められていなかった、賃貸住宅や地域の魅力を活かした店舗などとして活用できる取り扱いを新たに始めました。さらに、空き家の活用を促す補助制度も創設しました。
▽空き家など
↓
▽賃貸住宅
指定既存集落の一戸建ての空き家などに限ります
▽店舗など
「地区空き家等活用計画」を定めた地域に限ります
「水沢地区」および「小山田地区」で策定(令和6年4月1日現在)
■【新設】市街化調整区域の空き家活用の補助金
※2の関連補助金は、「地区空き家等活用計画」を定めた地域に限ります。
■四日市のトカイナカ暮らし、その魅力を聞きました!
▽池田絵美さん
水沢地区に住んで10年になります。移住の動機は土地代の安さでしたが、住んでみると子どもがのびのびと遊べる環境は、都会にはない魅力だと感じています。我が家の子どもたちは日々どろんこになって遊び、食べることのできる木の実を覚え、生きる力を身に着けています。自宅から小学校までは30分ほど歩くのですが、登下校を地域の皆さんに見守っていただいているので、安心感があります。来年小学校に入学する娘は同級生が8人になるそうですが、少人数学級ならではの特色を打ち出した教育方針を発信していけば、それを魅力に感じて移り住む人も出てくるのではないかと思います。
▽林謙助さん
小山田地区に移り住む前は、仕事の関係で名古屋に10年間住んでいました。妻の実家が小山田にあり、ここを訪れるたびにいかにも日本の原風景といった景色に魅了され、居を構えることにしました。緑が深く、古い石垣や田んぼの段々が連なる様子など、作ろうとしても作れない歴史を感じる風景が気に入っています。のんびりとした土地柄は育児にも向いていますし、意外と市街地からのアクセスもいいんです。今の小山田の景色を変えずに維持していくためには、地域に若い人が増えて欲しいと思っています。コロナ後、閉鎖的になってしまったと感じる面もあるので、地域の人々が交流する機会を大切にしていきたいです。
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