■三重県指定文化財 法念寺の鉄魚(てつぎょ)
法念寺の鉄魚は、昭和31年9月2日、榎本正志(えのもとまさし)氏によって境内の池で発見され、昭和33年12月15日、三重県天然記念物に指定されました。現在も、同池で自然繁殖を繰り返し生息しています。
鉄魚は、尾びれが伸長したフナに与えられた呼称で、ワキン(金魚)とフナの交雑種とする説がありますが、発生起源については不明な点が多いです。各ひれが長大で鼻の突起が大きく、動きは俊敏。かつては三木里町や賀田町の河川等に生息していましたが、水質・気候・食餌等の条件が生育に適していたのでしょう。賀田町の古川河口近くの個体は、昭和19年の津波で絶滅しましたが、三木里町の八十川(やそがわ)近くの支流では昭和46年頃まで確認されていました。
また、他県では青森・秋田・山形・宮城・岡山県などで生息が確認されています。
平成24年度には、三重県水産研究所職員立会の下、三重県、尾鷲市、文化財調査委員、法念寺檀家などが法念寺で鉄魚の調査をするとともに、泉水の水を一時的に抜き清掃作業を実施、当時約70匹の生息が確認されました。
現在、法念寺の泉水では、池の上に釣り糸を張ることで、野鳥の捕食から鉄魚を保護し、個体数の減少を防いでいます。
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