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続・尾鷲の植物誌

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三重県尾鷲市

■カヤラン(ラン科)
一般に植物は、大地に根を下ろし仲間を殖やしていきますが、中には樹木などに着生して一生を過ごすものたちもいます。ランの仲間であるカヤランもその一つで、ウメやカキ、スギなどの樹上で種子が芽生え、花を咲かせ果実をつけます。
花は3~5月に咲き、葉の間から根を伸ばし、ぶら下がるような格好で木にくっついています。葉が樹木のカヤの葉と似ているところからこの名前がついています。分布は本州、四国、九州と広いのですが、樹上という特殊な環境に生育することからどこにでも見られるものではありません。尾鷲地域でも着生できる樹木が少なくなり、めっきり減りました。
樹上生活は水分補給に苦労します。そのためカヤランには乾燥を生き抜くための仕組みが備わっています。カヤランの葉は、日中は二酸化炭素を吸収する穴(気孔といいます)を閉じ、体内からの水分の蒸発を抑えています。夜になると気孔を開き二酸化炭素を取り込み、翌日の昼間にそれを用いて光合成をしています。
このように二酸化炭素の取り込みと利用を夜と昼で分けるという生き方は、砂漠に生育するサボテンも同じです。

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