■海の森を再生する
◇海の森と砂漠化
海中で海藻が茂る場所を藻場(もば)といい、いろいろな生物の住処(すみか)として重要な役割を果たすことから、「海の森」と呼ばれます。この豊かな藻場がなくなってしまう現象が問題となっています。この現象は磯焼けと呼ばれ、海の森が無くなることから「海の砂漠化」とも例えられます。
磯焼けの原因は海水温の上昇、水質の悪化などさまざまですが、市内では増えすぎたウニが海藻を食害することが一因となっています。
◇海の森を再生する
市内ではウニの仲間であるガンガゼ類が多く生息する磯焼け海域が確認されています。そこで、地元の漁業者やダイバーが協力して、増えすぎたガンガゼ類を除去し、藻場を再生する取組を行っています。除去によってガンガゼ類が減少し、海藻が増えて、磯焼けから藻場が再生されました。
◇ブルーカーボン
海藻は光合成を通じて、二酸化炭素を体内に取り込みます。このように、藻場などの海洋生態系に取り込まれた二酸化炭素を「ブルーカーボン」と呼び、世界的に注目されています。市内で再生された藻場では、二酸化炭素が年間で9・81トンが取り込まれています。
今後も、地元の漁業者やダイバーとともに、豊かな海の森を再生する取組を続けていきます。
◆「尾鷲の森・海・里から学ぶネイチャーポジティブ」ワークショップ
次の日程でワークショップを開催します。興味のある人の参加をお待ちしています。
◇第1弾 森編
日程:8月5日(月)午後
内容:
・みんなの森紹介ツアー
・生物多様性の森づくり体験
◇第2弾 海編
日程:8月31日(土)午前
内容:
・磯での生物観察
・海藻おしば作り体験
お問い合わせ:水産農林課
【電話】23-8262
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