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今月の特集 新春対談 東員町の魅力とまちづくり(1)

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三重県東員町

■東員町長 水谷俊郎
令和5年4月から4期目が始動。3期12年の経験を活かし、町民の皆さんが心身ともに健康で活躍できるまちづくり、魅力あふれるまちづくりに取り組んでいます。

■プロモーター
近藤均(こんどうひとし)
町内在住で、ケーブルテレビ局の役員であり、総合文化センター内にあるヴィアティン三重サポーターズカフェ「THE BOWL cafe」を運営。持ち前の行動力を活かし「ヴィアティンフェスティバル」などのイベントを運営するなど、若手プロモーターとして活躍しています。

子育てや教育、文化などに力を入れている東員町。次に見据えているのはまちの魅力向上、そして“稼げるまち”づくりです。そこで今回は町内在住でプロモーターとして幅広く活躍している近藤均さんと、現在の東員町や魅力的なまちづくりについて、対談を行いました。

■現在の東員町
近藤:全国的に人口が減る中、東員町は人口を維持し、子どもたちも増えていることは、これまでの水谷町長の施策が正しかったんだと感じています。私も子どもがいて、初めは「東員町は子育てのまち」と聞いて「本当にそうなのかな?」と思っていましたが、今の現状をみると納得しています。
町長:東員町は、平成10年前後から人口が減少しはじめ、私が町長に就任した平成23年当初も減少が続いていました。それまで人口対策として、定住奨励金や出産祝い金などを支給していましたが、人口減少を止めることはできませんでした。そこで、例えば保育士をできる限り正規職員として雇用することで保育・教育の質を向上させるなど、いわゆる「現場」へお金を使う方向にシフトチェンジしました。確かにそのことで、当時はさまざまな意見をいただくこともありましたが、今となっては、あのシフトチェンジは正解だったと思っています。
近藤:私は東員町で生まれ育ち、私の子どもも東員町でずっと育っていて、最近では他の自治体に住んでいる友人から「東員町、いいよね」とすごく言われます。確かに、東員町では16年一貫教育プランなどの教育環境にも定評があり、私も親として、何も心配することなく子育てができていると感じています。私たちはこの環境が当たり前のように感じてしまいますが、実は非常にありがたいことで幸せなことだと思います。
町長:そのように感じてもらえてうれしいです。16年一貫教育プランは、岡野前教育長が肝いりで作られたもので、すごくいい教育プランだと思います。また、国では保育は厚生労働省、幼児教育は文部科学省が所管していますが、東員町は、保育園も幼稚園も全て教育委員会が一括して所管しています。これは、東員町独自のやり方だと思いますし、実際、子どもたちの成長を「途切れなく」支援できることはとても大切だと思います。
近藤:今でこそ全国的にも同じような取り組みを行っている自治体は増えてきましたが、東員町が始めた頃はとても先進的だったと思います。最初は、まちづくりについて、なぜ企業誘致ではなくて、子育てなんだろうと思っていました。
町長:もちろん企業誘致について考えたことはありますが、東員町は企業を誘致できる土地が少なく、企業の要望に応えることができません。そして、まちの取り組みについて、いつまでも国に頼ることはできません。地方分権が進む昨今、東員町が自立していくためには、東員町独自の考え方や取り組みが必要であり、町の実力がついていないといけません。そのため、私は町長に就任と同時に、実力がないのに派手なことをするのではなく、まず実力をつけようと考えました。これまでの3期でどこまで実力がついているのか数値として明確化できませんが、少なくとも町職員はすごく成長し、質も格段によくなっていると思います。職員が変われば、町は必ず変わります。
近藤:私が小さい頃は、人の名前を聞くとどこの地域の人かわかるほど地域色が強かったことを覚えています。しかし、最近では小規模開発も進み、昔からこの土地に住む人と新たに転入してきた人が共存することで、地域の雰囲気も変わってきました。
町長:この小規模開発の良いところは、元々住んでいる人のコミュニティーに新しい人が入っていくことで、お互いに刺激が生まれることです。東員町のことを全く知らない人に、地元の人が色々と教えていく。中には難しい面もありますが、既存のコミュニティーへ入っていくことで安心感が生まれるなど必ずメリットもあります。
近藤:子育ての話にも繋がりますが、子どもを通して親に交流が生まれる。これは子育ての施策が効いている結果であって、地域の行事の時だけではなく、日常から親同士のコミュニティーが自然に生まれてきていて、とてもいい流れだと思います。
町長:既存のコミュニティーへ新しい人が入ってきて、皆が交わることで子どもも大人も輪が広がっていきます。私が町長に就任した時、東員町の合計特殊出生率は全国・県それぞれの平均を下回っていて、非常に低くなっていました。しかし、現在は、全国・県平均を上回っているので、おそらく親同士のコミュニティーが自然にできることで、安心して子育てができる環境が整ってきているからではないでしょうか。

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